オスモカラーとは一般的な塗料とは異なる特徴を持つ自然塗料であり、フローリングや木製家具にオスモカラーを使用することで、部屋がよりナチュラルで過ごしやすい特別なインテリア空間にすることができます。
今回は旭川木工センターが、オスモカラーを使用するメリットやデメリット、メンテナンス方法などを紹介し、オスモカラーに対する疑問にお答えします。
オスモカラーの特徴
オスモカラーとは、ドイツのオスモ社が開発した、ひまわり油などの自然の植物油で生成された自然塗料のことを言います。
ペンキやウレタン塗装、水性塗料、ワックスなどの、木の表面に合成樹脂の塗膜を作る塗料とは異なり、植物油を木の内部まで深く浸透させて木を表面と内側から保護します。
空気を通す塗料なので、撥水性をもたらしながらも木の呼吸を妨げない特徴があります。
オスモカラーが安全な塗料と言われる理由
オスモカラーにはアルコールやシンナー、ホルムアルデヒドなど、一切の有害物質が含まれていません。
特に内装用のオスモカラーはヨーロッパ規格EN71-3玩具安全基準に合格しており、幼児向けの玩具や遊具、家具にも使用されています。
食品レベルの安全性を実現しているため、万が一口に塗料が入っても小さい子どものいる家庭でも安心できます。
オスモカラーを使うメリット
オスモカラーを使用することにおいて、様々なメリットがあります。
木そのままの質感を味わうことができる
無垢材の良さを最大限に活かすことができるのが、オスモカラーを使用する何よりものメリットでしょう。
表面をコーティングする塗料と異なり内部深くまで浸透する塗料なので、木材そのままの肌触りや雰囲気を直に味わうことができるのです。
安全性も保証されているため、子どもにも木と距離の近い生活を送らせることもできるメリットがあります。
調湿効果が高い
オスモカラーを使用した木は、他の塗料を塗った木と比べて呼吸しやすくなります。
夏の湿度の高い季節は湿気を吸い、冬の乾燥した季節は湿気を放出することで、年中気持ちよく過ごせる湿度に整えてくれるのです。
撥水性が高い
オスモカラーは水に強く高い撥水性を持ち、水やコーヒーをこぼしてもシミになりません。
外装用のオスモカラーは、国土交通省が定める屋外塗装の性能に適合しています。
無垢材の肌触りを最大限に味わいながら、繊細な木材に対する心配を持たずに楽しむことができるのです。
オスモカラーのデメリット
多くのメリットに恵まれているオスモカラーですが、いくつかのデメリットにも注意しなければなりません。
塗る手間がかかる
オスモカラーは粘性が高く、一般的な塗料に比べて塗りにくい特性があります。また、乾くまで臭いがあったり乾燥に時間がかかる特徴もあるため注意が必要。
少し手間はかかりますが、仕様書に沿った適切な使用方法で塗れば、問題なくきれいな仕上がりになるでしょう。
メンテナンスや塗り直しが必要
オスモカラーは木の呼吸を妨げないメリットがある一方で、定期的なメンテナンスや再塗装が必要になります。しかし、オスモカラー撥水性が高いため、常に細かな注意を払わなければならないという心配はありません。
年数が経てば塗装が薄れてしまい再塗装が必要になりますが、新しい種類のオスモカラーを探したり、木に再び元気を与える楽しみもあります。
オスモカラーの使用例
オスモカラーのメンテナンス方法
オスモカラーを塗装したフローリングと家具の、それぞれのメンテナンス方法を解説します。
フローリング
普段の掃除には掃除機を使用します。フローリングの板方向に沿って除機をかけるとより効果的にほこりを吸い取ることができます。
2〜3週間に一回のペースで、オスモブランド専用品のオスモウォッシュアンドケアーで水拭きをするとなお良いでしょう。
半年から1年に1度、専用品のオスモワックスアンドクリーナーでワックスがけを行えば、木の耐久性も上がり、長く使い続けることができます。
水を少し垂らして2〜3分で床に吸い込まれるようであれば、撥水性が低下しているので再塗装が必要です。
家具
オスもクリーナーを使用した木製家具は、水拭きで汚れを落とすことができます。オスモウォッシュアンドケアーを混ぜた水を使うとより効果的です。
半年から1年に1度オスモワックスアンドクリーナーを薄く塗ると、きれいな状態を保つことができます。
目立つ傷がある場合は、やすりで表面を削ってからオスモカラーを薄く塗ると直すことができます。
オスモカラーの価格
オスモカラー自体は他の一般的な塗料と比べて価格は高く設定されています。しかし、オスモカラーは主剤の比率が高いので、一般的な塗料より2〜3倍広い面積を塗装できます。塗り替えの際も、塗り重ねるだけで済むので結果的にコストパフォーマンスは良いと言えるでしょう。
オスモカラーのよくある疑問
塗装を剥がして上からオスモカラーを塗ることは可能?
塗装が完全に剥がれている場合は可能です。雑巾で水拭きをして全体が均一な色に濡れれば、塗装が完全に剥がれているので、オスモカラーを塗っても問題ありません。
もし濡れた色に一部違う箇所があると、オスモカラーが浸透せずにムラのある仕上がりになってしまうので、やすりで表面を全て削ってから塗布する必要があります。
オスモカラーを再塗装することは可能?
可能です。オスモカラーは塗り替えが簡単なことが特徴です。塗り替え時の木の状態に適した種類のオスモカラーを上塗りするだけで大丈夫です。
床暖房とオスモカラーの相性は?
オスモカラーに使用されている植物性成分や配合物は精製度が非常に高く完全乾燥するため、乾燥硬化後に床暖房の熱によって染み出ることはありません。
オスモカラーの耐熱性に限界はある?
正しい方法で塗装していれば、沸騰したお湯を表面にこぼしても問題ない耐熱性があります。実際の試験では、沸騰水を入れた湯のみを置いて20分放置しても塗装に割れや変色などの変化はみられない結果となりました。
しかし、100度を超える天ぷら油のような液体はシミが残る可能性があります。
オスモカラーで床が滑るときはどうする?
滑る原因として、塗りすぎであったりシリコンや埃が付着している場合などが考えられますが、まずウォッシュアンドケアーによる水拭きを試してみてください。水拭きを何度か繰り返すことで滑りにくくなります。
改善しなければ、やすりを使って表面を滑らかにすることで塗料を全て取り除いた後に再度正しく塗り直す必要があります。
木の質感を残したい場合のオスモカラーはどれがおすすめ?
透明または薄い色の種類のオスモカラーがおすすめです。
食器にオスモカラーを塗ることはできる?
内装用のオスモカラーは安全基準を満たしているので塗料の成分が口に入っても害はありません。また、熱いものを入れることも想定している国内の食品衛生試験にも合格しているので安心して使用できます。しかし、食洗機やこすり洗いを繰り返すと頻繁なメンテナンスが必要になります。
株式会社アサヒは人と環境にやさしい建築資材や自然塗料「オスモカラー」を取り扱っています。
1963年創業の株式会社アサヒは、「人と環境に優しいをテーマに社会に貢献する」という理念をもとに、木材加工機械や機械刃物の販売を主に行っています。
また、環境への配慮や地産地消などへの考慮などを根底とした建築資材の販売も行っており、お客様に豊かで快適な環境を提供することへ強くこだわっています。
自然塗料のオスモカラーをはじめ、世界の銘木を厳選したフローリングなどOSMOブランドの商品を多数取り扱っており、人と環境にやさしい建材を提供しています。
自然由来の環境にやさしい木材や塗料というのは、人々の暮らしに良く馴染み、快適な暮らしへとつながります。
オスモカラーなど建築資材に関するご希望、ご相談があればお気軽にお問い合わせください。