
「赤ちゃんに木のおもちゃを選びたいけれど、プラスチック製と何が違うのかわからない」と悩む方は少なくありません。
木のおもちゃは温度や手触り、音など自然素材ならではの感覚刺激を備えており、0歳児の五感を穏やかに育てる木育の入り口として注目されています。
この記事では、木製とプラスチック製おもちゃの違いから、月齢別の選び方・安全基準、年齢・発達に合わせたおすすめ事例5選まで詳しく解説します。
木育に最適な「木のおもちゃ」とプラスチック製おもちゃの違い
木育で使うおもちゃを選ぶ際、木製かプラスチック製かにより、受け取る感覚体験は異なります。
ここでは「温度」と「情報量」という二つの観点から、両者の違いを解説します。
温度の違い
木材は人肌に近い穏やかな温度を保ちやすい素材で、内部に多くの空気を含んでいるため触れた瞬間に手の熱を急激に奪うことがありません。そのため、温度変化に敏感な赤ちゃんも不快感なく握り続けられ、遊びや探索に集中しやすくなります。
一方、プラスチックは冬場にひんやりと冷たく感じたり、夏場の車内では表面が高温になったりと、環境による温度差が生じやすいです。木のおもちゃが持つ安定した温度感は、赤ちゃんがリラックスして遊べる木育の土台になります。
情報量の違い
木のおもちゃは、素材そのものが五感に届ける以下の情報を豊富に備えています。
- 木目
- 色合い
- 香り
- 重さ
- 打ち合わせたときの音など
たとえば同じ積み木でも、一つひとつ木目の表情や持ったときの重さが微妙に異なり、赤ちゃんはその違いを手や口で繰り返し「発見」していきます。
対して、プラスチック製おもちゃは形や色が均一で、電子音や光など人工的な刺激を加えやすい反面、感覚のばらつきは少なくなります。自然素材ならではの細かな違いを感じ取る体験の積み重ねが、木育における五感の発達と好奇心を支える基盤となります。
木育の第一歩は「遊び」から。木のおもちゃが持つ「音」と「手触り」

木育は難しい知識を教える取り組みではなく、赤ちゃんが木に触れ、鳴らし、眺めるといったシンプルな遊びから始まります。木のおもちゃ同士がぶつかると「コトン」「カチッ」という柔らかな音が生まれ、電子音のように耳を刺激しすぎないため、赤ちゃんは長い時間でも心地よく遊び続けられます。
また、振る・落とすといった自分の動きで音が変わる体験は、原因と結果のつながりを感覚的に学ぶ機会にも効果的です。
手触りの面でも、すべすべに磨かれた部分とわずかにざらつく木目の部分がひとつのおもちゃの中に共存しており、触覚への刺激が自然と豊かになります。赤ちゃんは握る・なめる・かじるを繰り返しながら質感の違いを確かめ、指先の力加減も少しずつ身につけていきます。
木の音と手触りを通じた遊びの積み重ねこそが、0歳児の五感を無理なく育てる木育の第一歩です。
木のおもちゃの選び方と安全基準

木のおもちゃを選ぶ際は、日本玩具協会が定めるSTマークの有無を最初に確認してください。STマーク付き製品は、形状・強度・有害物質の検査を第三者機関がクリアした証明であり、赤ちゃんが口に入れても安心です。
0歳〜6ヶ月:握りやすさと口に入れた時の安全性
0歳〜6ヶ月の赤ちゃんはほぼすべてのおもちゃを口に運んで感触を確かめるため、木のおもちゃ選びでは「握りやすさ」と「口に入れた時の安全性」の両立が欠かせません。角を完全に丸く加工し、木目をすべすべに磨き上げた無塗装、または食品衛生法に対応した塗料を使用した製品を選んでください。
誤飲を防ぐために小さな部品がなく、STマークの化学的安全性基準で鉛やフタル酸エステルなどが安全基準値以下(または規制に適合していること)であることが確認されたものが理想です。樹種は低刺激なヒノキなどが、0歳児の木育の入り口として使えます。
6ヶ月〜1歳:動きの変化とおもちゃの角処理
6ヶ月〜1歳になると寝返りやお座りができるようになり、その後ハイハイが始まり、おもちゃを投げたりぶつけたりする遊びが増えるため、耐久性と安全な角の処理が大切です。角を落として、指挟みや尖った部分による怪我を防ぐ積み木や押し車がおすすめです。
握力が発達するこの時期には、投げても周囲に危険が及びにくい重さのものを選びましょう。転がす・振るといった動作で自然な音が出るシンプルな構造のおもちゃは、手と目の動作を促しながら五感を穏やかに刺激します。
STマークで機械的特性の強度や隙間の安全性が保証された製品を選ぶことで、活発になる赤ちゃんの木育を安心して進められます。
【年齢・発達別】木育に最適な木のおもちゃの事例5選

木育の効果を引き出すには、赤ちゃんの月齢や発達段階に合った木のおもちゃを選ぶことが大切です。ここでは、0歳から3歳までの成長に寄り添う木のおもちゃを5つ紹介します。
1. 【0歳〜】ファーストトイの定番「木のラトル(ガラガラ)」

生後すぐの赤ちゃんが最初に手にするおもちゃとして、木のラトルは握りやすい太さと耳にやさしい自然な音色を兼ね備えた、始めての木育におすすめの一品です。
赤ちゃんが振るたびに穏やかな音が鳴り、自分の動きが音を生むという体験を感覚的に学ぶきっかけになります。口に入れても安全な無塗装タイプを選びましょう。
2. 【6ヶ月〜】ハイハイを促す「ローリングカー」

寝返りやお座りができるようになる6ヶ月頃の赤ちゃんや、その後ハイハイを始める時期(生後7〜10ヶ月頃)には、押して転がす動きで全身運動を促す木製ローリングカーが木育におすすめです。転がるおもちゃを追いかける遊びは探究心を刺激し、目で追いながら体を動かす連携動作の発達にもつながります。
角を丸く加工した頑丈な設計のローリングカーなら、赤ちゃんがけがをしにくく、床を転がる際に響く自然な木の音が聴覚の発達も助けます。
3. 【1歳〜】創造力の基礎「無垢材の積木」

歩き始める1歳児には、立方体や半円柱など基本形が5種以上そろった無垢材の積み木が、手指の協応動作と空間認識を育てる木育の定番です。積む・崩すを何度も繰り返す遊びの中で、赤ちゃんは自由な形作りを通じて想像力を付けていきます。
20個前後のピース数から始めれば、遊びの難易度が高すぎず集中力を保ちやすいです。また、木同士がぶつかる「コトン」という自然な音や手に伝わる温もりが、遊びへの没頭を後押しします。ST基準をクリアした製品を選べば耐久性が高いので、成長に合わせて長く利用できます。
4. 【1.5歳〜】指先と頭を使う「形合わせパズルボックス」

つかまり立ちや一人歩きが安定する1.5歳頃には、図形認識と試行錯誤を通じて問題解決力を養える形合わせパズルボックスが木育の次のステップとして効果的です。丸・三角・四角など3〜5種の大型ピースをつまんで穴に入れる動作が、指先の細かい運動能力を鍛えます。
たとえば、つまみ付きのピースなら小さな手でも扱いやすく、木の質感の違いが触覚を豊かに刺激します。正しい穴にピースがはまった瞬間の達成感は自信を育て、色や形の違いを遊びの中で自然に学べる点も、木育における知的発達の大きな支えです。
5. 【2歳・3歳〜】思考力を育む「木のバランスゲームやボードゲーム」

言葉が増え始める2歳・3歳には、木製のバランスゲームやシンプルなボードゲームが、予測する力と社会性を同時に育てる木育の集大成としておすすめです。積み木のようなバランスゲームでは、木の重さを手で感じながら「どこに置けば崩れないか」を考える力が自然に鍛えられます。
親子や友達と一緒に遊ぶボードゲームなら、勝ち負けだけでなく順番を待つ忍耐力や協力する姿勢も身につきます。木の安定感ある重みが試行錯誤の手応えを実感させてくれるため、繰り返し遊ぶ意欲が続きやすく、成長しても長く使える点が魅力です。
まとめ
木育の第一歩は、赤ちゃんが木のおもちゃに触れ、音を鳴らし、手触りを味わうシンプルな遊びから始まります。木製ならではの穏やかな温度感や豊富な感覚情報は、プラスチック製では得られない五感への刺激を届けてくれます。
おもちゃを選ぶ際はSTマークで安全性を確認し、月齢や発達段階に合った形状・重さのものを取り入れましょう。
ラトルから積み木、バランスゲームへと成長に寄り添いながら木のおもちゃを変えていくことで、五感と創造力を無理なく育む木育を家庭で実践できます。
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