「木のテーブルは割れることがあるって聞いたけど、手入れは必要なの?何をすればいい?」
そのような疑問を解決すべく、この記事を書かせていただきました。
木のテーブルには大きく「無垢材」と「突板」という種類があります。突板の場合は、乾拭きするだけなのでお手入れが簡単。
ですが、無垢材の場合は少し手順が違います。そこで今回は、木製家具やフローリングなど、木のプロ集団である「旭川木工センター」が木のテーブル(特に無垢材)のお手入れについて解説させていただきます!
実際の手順はもちろん、塗装別に異なる手入れやお手入れをラクにするコツを掲載していますので、ぜひご覧ください。
木のテーブルは塗装ごとに手入れ方法が異なる
木テーブル(特に無垢材家具)の仕上げは大きく2つあり、「ウレタン塗装」と「オイル塗装」というものがあります。それぞれ手入れ方法が異なるので、一つずつ見ていきましょう。
ウレタン塗装の手入れ方法
ウレタン塗装はキズに強い塗装であるため、日頃の手入れは水拭き、お湯拭だけでOKです。
油汚れがついた場合は、中性洗剤を水で薄めて拭き、水拭き、乾拭きの順で拭いていきます。(水:中性洗剤=1L:小さじ1くらいが目安)
日常的な手入れは比較的簡単ですが、キズがついた場合の修復はご家庭では難しい場合が多いです。
オイル塗装の手入れ方法
オイル塗装の手入れは、ウレタン塗装より少し複雑で、以下の流れで行います。
- 固く絞ったタオルで水拭きする
- オイルを塗布し、拭き取る
- 12時間以上乾燥させる
ステップ①:固く絞ったタオルで水拭きする
まずはほこりや汚れを除去していきます。この後、しっかりと乾燥させてから塗料を塗るため、しっかりと絞った布で拭くことがポイントです。
ステップ②:オイルを塗布し、拭き取る
オイルをウエスに伸ばしながら塗り残しの無いよう広げていきます。この時、木目に沿って塗っていくことがポイント。
オイル塗装後は乾燥を待たず、すぐに拭き取ります。この時、別のウエスで乾拭きすることを忘れずに。拭き終わった後手で触り、サラッとしていればOKです。
【!注意!】使用したウエスは必ずよく水洗いしてビニール袋に入れて処分して下さい。水洗いしないで放置しておくと発火する恐れがあります。
ステップ③:12時間以上乾燥させる
オイルの効果を得るためには、しっかりと乾燥させることが重要です。完全に乾燥するためには、1週間程度かかるため、オイル塗装後は1週間ほどマットを敷くことをオススメします。
オイル塗装の手入れは、年に2回行うことをオススメします。1回は冬に入る直前の時期、もう1回は梅雨入りの前に行いましょう。理由としては、無垢材は冬の乾燥に弱い点、梅雨時期は塗料の乾きが遅い点にあります。
木のテーブルのお手入れをラクにするコツを3つ紹介
木のテーブルのお手入れを楽にするコツを3つ紹介します。
①ランチョンマットをひいて汚れや熱から守る
昨今、予防整備という言葉があるように、「汚れないようにする」ことが、お手入れをラクにする一番の近道です。
オイル塗装の場合は特に、水などをこぼしてしまうとシミの原因になります。そのため、ランチョンマットなどを敷くことで、汚れや熱から守りテーブルを良い状態に保つことができます。
②飲み物を置く時はコースターで「輪染み」を防ぐ
冷たい飲み物を直接テーブルの上に置いたままにすると、置いた周りが白いシミとなる「輪染み」が生じます。飲み物を置く時はコースターを使用しテーブルの表面へのダメージを防ぎましょう。
また、熱い物を置いた時にも輪染みができるので、鍋などを置く際にも鍋敷きの使用を推奨します。
③湿気のあるところに置かないようにする
あなたのテーブルが無垢材かつオイル仕上げである場合は湿気を取り込む性質を持ちます。ホコリが溜まった部分に湿気を取り込んでしまうと、カビの原因になることも。
湿度を調整してくれることが魅力の無垢材、オイル仕上げですが過度の湿度には弱いため置く場所を選びましょう。
テーブルの手入れは種類を理解することも大切
冒頭でもお話しした通り、木のテーブルには大きく「無垢材」「突板」という2種類があります。それぞれの性質を理解したうえでお手入れをすると、傷めず長く使い続けることができます。
無垢材
無垢材は、本来呼吸する木材です。具体的には、室内の湿気を吸ったり吐いたりすることで伸縮します
そのため、乾燥すると無垢材は乾燥により、反りはひび割れが起きやすい特徴があり、手入れが重要になります。
先ほど紹介した「オイル塗装」は、特にこの無垢材の性質をそのまま楽しめるようにした仕上げ方法のため、お手入れが必須となります。
無垢材のテーブルは厚みもあるので、ある程度の汚れなら紙ヤスリ(サンドペーパー)で綺麗にすることができます。もし紙ヤスリをかけるのであれば、汚れの箇所だけでなく、周辺一帯も均一にかけていきましょう。
突板
突板(つきいた)は薄くスライスした木材と、芯材、ベニヤ板を組み合わせたものです。スライスした木材の厚さはなんと0.2〜0.6mmほど。ヤスリはかけられず、キズの修理が難しいですが、普段のお手入れは水を固く絞ったやわらかい布で拭くだけで済みます。
木のテーブルをウレタン塗装からオイル塗装に変更するにはプロの技術が必要
家具を育てる楽しみを味わいたい方は、「オイル塗装」の方が魅力的に感じるかもしれません。ですが、個人で塗装を剥がし、塗り直し、正しい状態で乾燥させる…というのは非常に難易度の高いことです。そんなときはプロに頼んでみるのが一番。まずは相談してみましょう。
まとめ
今回は、木のテーブルの手入れについてお話しさせていただきました。今回のポイントは以下の通り。
- 木のテーブルは塗装ごとに手入れ方法が異なる
- お手入れを楽にするには「ランチョンマットを敷く」「コースターを使う」「湿気のあるところには置かない」ことがポイント
- ウレタン塗装からオイル塗装に変更するのは難しく、プロの技術が必要
私たち旭川木工センターは、伝統ある旭川家具を愛し、時には新たなデザインを取り入れ、現代のインテリアに馴染む家具を作り続けています。
家具のお手入れに関する記事は以下のページでご覧になれます。木製家具を一生使い続けるため、ぜひご覧ください。
お手入れ方法一覧を見てみる