「一生もの」と言われる家具は、単に壊れにくいという特徴だけではありません。あらゆる面において高いクオリティを持ち、使用する人にずっと愛される家具が、何十年と使われ続ける一生ものの家具です。
今回は、北海道旭川で家具づくりを行っている旭川木工センターが、一生ものの家具の魅力や、旭川の家具ブランド25社が手がける一生ものの家具を、種類ごとに紹介していきます。
一生ものの家具の特徴
一生ものの家具の特徴として、良質な木材を使用していることが挙げられます。
良質な木材は耐久性が優れているだけでなく、肌触りがよく木目がきれいなため、高級感があります。
また、デザイン性が高いことも一生ものの家具が持つ特徴のひとつです。毎日過ごす部屋の象徴になるような洗練されたデザインは一生ものの家具が持つ大きな魅力のひとつでしょう。
一生ものの家具を所有すると人生の楽しみが増える
一生ものの家具は、革製品のようにエイジング(経年変化)を楽しむことができます。
木材の表面の色合いは年月を経ることで深い味わいへと変わっていきます。使用しているうちに細かな傷やシミがつくこともあるかもしれませんが、そうした変化にもきっと愛着を持つことができるでしょう。
そして、長い年月使っていくうちに自分の生活に馴染み溶け込むことで、まるで家族のように愛情を抱くようになります。
また、デザインに強くこだわることで生活空間に自分らしさを反映させることができるのも一生ものの家具の特徴のひとつ。
流行に左右されない洗練されたデザインの家具を軸に、いろいろなインテリアのテイストを楽しむこともできるでしょう。
一生ものの家具を手がける旭川家具ブランド
旭川で家具づくりが盛んになった背景のひとつには、乾燥した風土が挙げられます。家具作りにおいて、膨張や収縮などの狂いが生じにくい良質な材料が必須条件です。木材は湿度によって変形しやすい性質があるのですが、旭川の乾燥した環境は、木材にとって理想的な保管場所であるといえます。
木材の保管に適していることから、旭川は海外の高級木材が集まる拠点にもなっており、北海道産木材だけでない多くの良質な木材に恵まれています。
そして旭川家具の評価として「高い技術力」が挙げられます。インテリアデザイナーの登竜門とも言われる「国際家具デザインコンペティション旭川(IFDA)」が3年に一度行われ、受賞作品の製品化が地元の家具メーカーにも大きな刺激になっています。
この記事では、そんな旭川の家具ブランドが手がける一生ものの家具を、家具の種類ごとに紹介していきます。ぜひ、いろいろな旭川家具のブランドが手がける魅力的な家具をご覧になってください。
1.ソファ
ふんわりとした丸みが特徴的なソファ。しっかりと計算されて設計されているので、細くすらりとした4本の脚でも想像以上の安定感があります。
クッションの素材にはイタリア産の生地を使用し、土台には北海道産ナラを使用しているため、シンプルなデザインながら佇まいに高級感を感じさせます。内側に広く伸びるアームはサイドテーブルのように使うこともでき利便性も高いソファです。
クッションを置けばソファとして使用できるこのリビングベンチは、バックのスポークが圧迫感を和らげてくれます。サッと掃除がしやすいため、ペットの抜け毛の付着が気になる方にもぴったり。
コサインの公式サイト2.ダイニングテーブル
黒いスチールの脚と、厚い天然木の天板が特徴的なダイニングテーブル。天然木をぜいたくに使った天板の暖かさがあるため、脚が黒いスチールでも冷たい印象を持たせません。家具や内装では避けられることが多い「節」の部分を個性として使用しているのも特徴的です。
ロの字の脚が印象的で、どっしりとした存在感を放つダイニングテーブル。天板には、樹皮が付いている部分である「耳」を使用しており、シックなデザインである一方で自然の風合いを楽しむことができます。
最高級素材である、アメリカ産のウォールナットを使用している、自然の樹そのままの味わいを楽しむことができるダイニングテーブル。つい触ってみたくなるような丁寧に磨き上げられた表面は、上品な光沢を放ちます。
3.リビングテーブル
無駄な装飾を省いた、究極のシンプルデザインのリビングテーブル。良質な無垢材を使用しているため、シンプルなデザインでも確かな存在感を漂わせます。緩やかな脚の曲線が少し個性的で、どんなテイストの部屋にも合うデザインとなっています。
天然木の優しい印象を持つ、和のテイストにぴったりなセンターテーブルです。側面の控えめなディティールと、どっしりと天板を支える4本の脚が特徴的で、2つ引き出しが付いているため、リモコンなどの小物をまとめて整理できるのも嬉しいポイントです。
北欧を意識してデザインされたスタイリッシュなセンターテーブル。すらりと伸びている円柱型の脚は、優しく開放的な印象を持たせます。天板の下の収納スペースも便利で、天板の上が物で散らかることはないでしょう。
4.サイドテーブル
全体的に丸みを帯びていて優しい雰囲気があるカフェテーブルです。丸みが目を引く印象を持ちますが、外側に広がって天板を支える脚や斜めにカットされている天板にはシャープさも持ち合わせています。
ウォールナットを使用したサイドテーブルで、美しい木目と重厚感が特徴的。天板を支える部分が収納スペースとなっており、本を立て掛けたり小物を置いたりと、ソファで過ごす快適さを上げてくれます。
コーヒーカップや本などの小物から、ノートパソコンを載せるのにもちょうどいいサイズのサイドテーブル。ソファに差し込むことができるため、姿勢を変えなくても楽に飲み物などの小物に手が届きます。側面には、収納に便利なマガジンラックもあります。
5.スツール
無駄を削ぎ落としたシンプルなデザインのスツール。シンプルながらも、内側に向かって弓のようにカーブする4本の脚と座面に差し込まれた脚の断面が印象的な、洗練されたデザインとなっています。大きすぎず小さすぎないちょうどいいサイズで、持ち運びに便利です。
撥水・防菌防虫加工を施した「ペーパーコード」という素材を使用し丁寧に編み込まれた座面は、座る人の身体に負担を与えず、ゆったりと身体に馴染んでいくのを体感することができます。
天然木のぬくもりが部屋全体に広がるような、優しい印象を持つスツール。コンパクトなサイズながらも目を引く洗練されたフォルムは、彫刻品のように凛とした佇まいで上品さを漂わせます。
6.ダイニングチェア
17世紀後半にイギリスの民芸家具として発祥した「ウィンザーチェア」というデザインで作られたダイニングチェア。伝統的なこのフォルムは、スリムながら安心感を与えてくれます。通気性に優れている背もたれは、部屋を広く見せる効果も発揮します。
「節」をふんだんに使用したこのダイニングチェア は、木材が本来持つ木目の美しさを楽しむことができます。丸みがないシャープな造形と、カラーバリエーション豊かな座面により、洗練されたデザインを実現しています。
北海道産ナラを使用した、美しい木目のフレームが印象的なチェアです。シンプルな造形ながら、ナラの木目が映える特徴的なフォルムのフレームと厳選されたイタリア産の生地により、上品な雰囲気を持ちます。
7.ベンチ
あらゆる部分が丸くなめらかに仕上げられているのが特徴的なベンチです。角が立っているところがないため小さな子供やご年配の人も安心して使用することができます。光沢を抑えた美しい発色の座面は、防炎機能が施された平織りの張地が使用されています。
力強い木目が特徴的な北海道産タモを使用したシンプルなデザインのベンチ。外側に向かって伸びる脚はベンチ全体に重厚感と安定感を与え、いつまでも長く使えるような強度をもたらしています。
座面が格子状になっているため通気性に優れ、長時間座り続けることができるベンチです。どの位置に座っても脚が邪魔にならないように、真ん中は1本で支えるような工夫が施されています。木目の美しさが最大限生かされているナチュラル感も魅力。
家具工房木魂の紹介ページ8.デスク
奥行きが42cmと、非常にスリムなサイズのデスクです。薄くコンパクトなデスクですが、3つの引き出しがありデスクの収納に困ることはありません。無垢材の落ち着いた質感は、壁際に置くだけでも部屋に暖かみをもたらします。
ナラを使用したこの机は、木目の美しさや天然木の肌触りにおいて一般的に流通する学習机にはない魅力があります。同シリーズのワゴンを用いれば収納の容量が増えて、より充実したデスク周りを実現することも可能に。
普段は棚になっている部分をデスクに早変わりさせることができるライティングシェルフ。棚とデスクのふたつの役割を持つため、スペースに余裕をもたらしながらも、ぜいたくに天然木のぬくもりを楽しむことができます。
9.ドレッサー
幅を取らないサイズで、寝室の脇や、一人暮らしの部屋の壁際など置く場所を選ばないドレッサーです。コンパクトながらも化粧品が十分に入る機能性を兼ね備えており、天然木の優しい木目は部屋に暖かみを与えます。
山岡木材工業の公式サイトナラの木材の力強さを味わえるのが特徴的なドレッサーです。引き出し部分の真鍮のつまみや三面鏡をつないでいる銀の装飾からは、細部への強いこだわりが感じられ、部屋に高級感を与えてくれます。
山室家具製作所の公式サイト全体的に丸みがかっているフォルムが特徴的なドレッサー。デスクの正面が引き出しになっていて、小さいサイズながら収納性も高いです。下に向かって徐々に細くなっている円柱の脚は、軽やかな印象を与えます。
10.サイドボード
全体の細かな造形に凝ってデザインされているサイドボードです。収納部分はシャープな印象を持たせますが、上部の天板は緩やかな流線型になっており、美しい対比をつくり出しています。
まぶしさを覚えるほどの鮮やかな青色が特徴的なサイドボードです。木材の本来の色でない正面の青色は意外とあらゆるインテリアテイストに溶け込むことができるモダンなデザインを生み出しています。
無垢材は、湿気によって「反る」特徴があり、多くの家具は反りを防ぐために扉の裏側に反り止めを取り付けますが、このサイドボードでは反り止めを扉の表に取り付けて取手の役割を与える工夫をしているのが特徴的です。脚が台形の形をしているのも細かいこだわり。
11.キャビネット
新品でもビンテージ品のような風合いを持ちます。個性的な曲線を描く短い脚がキャビネット全体になんとも言えない可愛らしさをもたらしています。また「拭き漆」という、漆を塗っては拭き取る工程を繰り返すことで、木目の美しさが最大限に生かされています。
角を丸く加工し、全体的に優しい印象を持つキャビネット。大容量ながらも、暖かみのある天然木と丸みを帯びたフォルムにより圧迫感を生まないことがこのキャビネットの魅力です。
伝統的な技法やデザインを重んじながら、現代の技術と木材で作られた存在感のあるキャビネットです。装飾も控えめで、堂々としたフォルムには長く使える安定感があります。5年、10年と使い続けることで深みのあるツヤを生み、味わいが増していきます。
12.シェルフ
幅の長さと段数が異なる2種類があり、どちらも棚の高さを揃えているため並べて使用することもできます。すらっと伸びた円柱の脚と大きく広がる天板により、収納スペースに余裕が生まれ、効果的に「見せる収納」をすることができます。
限りなくシンプルながらも、細かい造形に強くこだわって設計されたデザインの棚です。棚を支える支柱は上に行くほど徐々に細くなり、棚の厚みも上になるにつれて薄くなるような設計が施されています。この造形美によって、棚自体が軽やかな印象になるのと同時に、部屋全体を広く明るく見せる効果もあります。
WOWの公式サイト棚を支える4本の脚は、まるでつま先立ちをしているようなフォルムが特徴的なシェルフです。このつま先立ちをしている造詣が商品名の「トー」がつく由来であり、スリムなパーツで仕上げることで収納力を大きく上げています。
13.チェスト
経験豊富な家具職人が手がけた縁の溝彫りなど、細部にこだわって作られたこのチェストは確かな高級感を漂わせます。アンティーク感のあるデザインですが、不思議と現代のインテリアテイストに調和するのが特徴的です。
希少な木材を無駄なく大切に使用して作られたチェスト。木材はナラ、ウォールナット、チェリーの3種類から選ぶことができます。無駄のないシンプルなデザインのため、置く場所やインテリアのテイスト、他の家具との相性に困らないのが大きな魅力のひとつです。
角の丸みと、天然木の優しい木目が特徴的なチェストです。大容量を収納でき、頼もしさのある佇まいがあります。どっしりとした収納部分に対して脚は細く、シンプルながらも個性的なフォルムを持っています。
14.テレビボード
コンパクトなサイズながらも、テレビ周りの機器も問題なく収納できる容量を持つテレビ台です。全ての角が丸く加工されており、部屋に圧迫感を与えない優しい雰囲気を漂わせます。
天然木の優しい木目が印象的なこのテレビ台は、無機質な大型テレビを置いても部屋におだやかな雰囲気を与えます。コンパクトなサイズながらも大型テレビを安心して置くことができるどっしりとした安定感があり、容量の大きな引き出しは日用品の整理に困りません。
どんなテイストのインテリアにも合わせることができるスリムなフォルム。幅は160cmと余裕があり、大きなテレビも安心して設置することができます。引き出しと取っ手はウォールナットで、そのほかはカバ材を使用しており、2つの木材のコントラストを楽しむことができます。
さいごに
今回は、「一生ものの家具」が持つ魅力や、旭川の家具ブランドが手がける家具の数々をご紹介しました。
「良質な木材」と「経験のある職人の腕」によって生み出される家具が「一生ものの家具」となり得ます。
MUKU工房では、旭川をはじめ飛騨や府中など、日本を代表する家具の産地で作られた家具を多く取り扱っており、どれも「一生ものの家具」としてご愛用していただける家具ばかりです。