木材の種類の調べ方ガイド|名前がわからないときのチェックポイントを紹介します

木材を選ぶ際、「木材の種類がわからない」「どのような違いがあるのだろう?」と困った経験はありませんか?自宅のフローリングや外壁、家具などに使われる木材には、さまざまな種類があり、その数は100種以上とも言われています。

それぞれを見分けるのは難しいと思われるかもしれませんが、実は木材には木目や色、硬さ、香りなどに違いがあり、専門的な機械を使わなくてもある程度は見分けられます。

そこで今回は、旭川家具に精通する木工のプロが、木材の種類の調べ方について解説します。輸入材と国産材の違いについても紹介していますので、木材を選ぶ際の参考にしてください。

木材の種類の調べ方

木材は、大きく分けると「針葉樹」と「広葉樹」の2つに分類されます。針葉樹は、針のように細長い葉を持つ樹木で、幹は上に向かってまっすぐに伸びるのが特徴です。

一方、広葉樹は、手のひらのように丸みを帯びた葉を持つ樹木で、針葉樹に比べて背が低く、横に広がる性質があります。まずは、それぞれの木目や色、硬さ、重さや香りなどの特徴を見てみましょう。

見た目でわかる木目や色の違い

針葉樹と広葉樹を見た目で判別する際は、木目と色の違いをチェックしてみてください。

針葉樹の木目は、ほぼ均等でまっすぐ通っているのが特徴です。色合いは明るいベージュ系から赤みを帯びた薄茶色など明るめの淡色系が多く、優しくナチュラルな雰囲気を感じられます。

一方、広葉樹はカーブを描くような不均等な木目が特徴で、なかには木目が目立ちにくい種類もあります。色合いはさまざまで、淡い色から深みのある色までバリエーションが豊富です。

代表的な針葉樹

樹種木目
スギまっすぐで規則的年輪がはっきりしている淡いピンク~赤色
ヒノキまっすぐで幅が均一光沢がある淡い黄色~白色
カラマツ年輪がはっきりしている淡い黄褐色~赤褐色
ヒバ細かく均一光沢がある淡い黄色~白色

代表的な広葉樹

樹種木目
ケヤキケヤキ特有の美しい木目(環孔波状)淡い黄褐色から赤褐色
ナラ虎斑(とらふ)模様淡い黄褐色から褐色
クリはっきりとしている淡い黄褐色から褐色
ブナ緻密で滑らか淡いピンク色から白色

触った感触でわかる硬さ

針葉樹か広葉樹かの見た目での判断が難しい場合は、触った時の硬さや質感を確認してみましょう。

針葉樹は比較的やわらかく、指で押すとわずかに沈む感触があります。肌触りもやさしく、加工がしやすいため、「ソフトウッド」とも呼ばれています。

一方、広葉樹は針葉樹とは反対に、硬くしっかりとした手触りで、重厚感があります。「ハードウッド」と呼ばれ、強度が高く、傷がつきにくいといった特徴を持っています。

重さや香りで判断する方法

針葉樹と広葉樹を見分ける際は、重さや香りで判断するのもひとつの方法です。

針葉樹は成長が早く、素材としては柔らかくて軽いのが特徴です。また、「フィトンチッド」と呼ばれる殺菌作用のある成分を多く含み、爽やかで落ち着きのある香りがします。針葉樹の香りには、リラックス効果のほか、抗菌・防虫といった効果も期待できます。

広葉樹は、針葉樹に比べて成長に時間がかかる樹種が多く、触れたときの感触は重くて硬さがあります。香りは控えめで、ほとんど感じられない樹種もあります。

代表的な針葉樹

樹種香り
スギ森林浴のような落ち着いた香り
ヒノキ柑橘系のような清々しい香り
カラマツ樹脂の甘い香り
ヒバ柑橘系のような清々しい香り

代表的な広葉樹

樹種香り
ケヤキややスパイシーでほんのりとした香り
ナラ香ばしい香り
クリ独特の甘い香り
ブナほとんど香りがない

木材の輸入材と国産材の違い

木材は、針葉樹と広葉樹の2種類に大きく分かれますが、それに加えて、海外から輸入される「輸入材」と、日本国内で生産される「国産材」といった分類もあります。それぞれの特徴とメリットを見てみましょう。

輸入木材の特徴とメリット

輸入木材は流通量が豊富で、価格が比較的安価なものが多く、手に入りやすいのが特徴的です。アカシアやホワイトウッド、ウォルナットなど、種類も豊富なため、コストを抑えながら好みや用途に合わせて選べます。

ただし、木材によっては、高温多湿な日本の気候に適応できず、変形してしまう恐れがあります。カビの発生や、それに伴うシックハウス症候群などのリスクも考えられるでしょう。長時間の輸送や気温・湿度の変化によって、品質が低下する可能性も否定できません。

そのため、利用する際は品質をよく確認し、日本の気候に応じた乾燥処理がされているかをチェックしましょう。

種類主な産地用途
ダグラスファー (米松)北米建築用材 (柱、梁など)
SPF材北米建築用材、DIY用材
レッドパイン(欧州赤松)ヨーロッパ内装材、家具材
チーク東南アジア高級家具、船舶用材
メープル(カエデ)北米家具材、楽器材
ラワン東南アジア合板の原料

国産木材の特徴とメリット

国産木材は、日本の気候や風土に適しており、湿度や温度変化に強いのが特徴です。住宅や家具に使用した際も反りや割れが起こりにくく、安心して使用できます。美しい木目や色合い、香りを楽しめるのも国産材ならではの魅力です。

また、輸入材に比べて輸送距離が短いため、輸送中の品質劣化が少なく、安定した品質で供給できるのも強みです。さらに、地域の林業や製材業を支えることにもつながり、環境負荷の少ないサステナブルな素材として注目されています。

ただし、輸入木材に比べると供給量が不安定で手に入りにくい、価格が高いといったデメリットがあります。

種類主な産地用途
スギ全国建築用材 (柱、梁、内装材など)
ヒノキ東北以南~屋久島高級建築材、風呂材
カラマツ北海道、東北地方建築用材、土木材
ヒバ青森県、石川県など建築材、建具材
アカマツ、クロマツ東北、中国、九州地方建築材、土木材、器具材、庭園
ブナ東北、関東、中部地方家具材、建具材

まとめ

木材の種類は、木目や色、硬さ、香りなどから、ある程度は判別できます。針葉樹は柔らかく、香りが強いのが大きな特徴です。広葉樹は硬く、針葉樹よりも重さがあります。

また、輸入木材は種類が豊富で手に入りやすい一方、国産木材は日本の気候に適しているため、長く安心して使えるのがメリットです。

針葉樹と広葉樹、輸入材と国産材の違いを把握すれば、用途に合った木材選びがしやすくなります。木材を見分ける際は、ぜひこの記事で紹介した内容を参考にしてください。

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