棚に使う木材の種類を用途別に解説!選び方や失敗しないためのポイントも紹介

DIYで棚を作ろうと思っていても、木材の種類が多すぎて「どうやって選べばいいのかわからない」と悩む方も多いでしょう。

一言に棚といっても、本棚やラック、キッチン収納など、サイズや用途が異なります。失敗しないためには、作りたい棚のイメージや用途に合わせて木材を選ぶことが大切です。

今回は、旭川家具に精通する木工のプロ「旭川木工センター」が、棚におすすめの木材の種類について徹底解説します。木材の選び方や失敗しないためのポイントも紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

棚に向いている木材の種類

棚によく使用される木材は集成材、合板、無垢材の3つに大きく分かれます。

種類特徴
無垢材・1本の木を切り出し、1枚の板に加工した板材・天然木ならではの質感や風合い、経年変化を感じられる
集成材・小さく切った無垢材(ラミナ)を繊維方向に揃えて接着加工した板材・製造段階で節や割れ、反りなど無垢材の欠点が取り除かれたラミナを使うため、変形しにくく、安定した品質が得られる
合板・薄い板材を繊維方向が垂直になるよう複数枚重ね、接着剤を吹き付けてから高温圧縮した板材・繊維を90°で交互に重ね合わせるため、強度があり加工しやすい

また、樹種ごとに特性が異なるため、用途に合わせて選ぶことが大切です。以下では、棚に向いている樹種を紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

タモ

画像引用元:MUKU工房|WOW ブックラック

モクセイ科トネリコ属の落葉広葉樹。しなやかさと弾力性があり衝撃にも強いため、本棚やテレビボードなど、重量のあるものを載せる棚におすすめです。

はっきりとした均一な木目と、白に近いベージュ色の木肌が美しく、明るくナチュラルな雰囲気に仕上げたい場合にも適しています。ただし、硬さがあるため加工が難しく、価格も高めなことから、DIY初心者には扱いづらいでしょう。

オーク(ナラ)

画像引用元:WOW|SORAHE ロー

オークは、ブナ科コナラ属の落葉紅葉樹の総称で、日本では「ナラ」と呼ばれており、主に北海道に分布するミズナラが代表的です。耐久性・耐水性に優れ、傷にも強いため、家具材や建築材、樽材など幅広い用途で使われています。

種類によっても異なりますが、オークは黄色みがかったナチュラルなベージュ色で、色味が異なるインテリアとも合わせやすいのが魅力です。

さらに、まっすぐな木目が美しく、切り口によっては、オークならではの虎斑(とらふ)模様が現れる場合もあります。北欧風に仕上げたいときや、落ち着いた雰囲気を加えたいときにおすすめです。

ウォールナット

画像引用元:MUKU工房|コサイン リビングシェルフ

クルミ科クルミ属の落葉広葉樹の総称で、三大銘木のひとつとして人気のある樹種です。

加工のしやすさと強度のバランスが優れており、家具や内装材として幅広く利用されています。色味は紫がかった濃い茶色で、無垢材の場合は経年とともに徐々に明るく変化し、味わいが増します。

まっすぐな木目と重厚感のある見た目から、長く使える本格的な棚を作りたいときや、高級感を演出したいときにおすすめの樹種です。

カバ

画像引用元:MUKU工房|WOW ソラヘ オリジナル

カバは、カバノキ科カバノキ属に属する落葉広葉樹で、日本では主に北海道が産地として知られています。軽くて強度があり、加工しやすいため、棚板にも適した木材です。

木肌はきめ細かく、ほんのりピンクがかったやさしい色合いが特徴です。経年変化が穏やかなため、購入時の美しい色味を長く楽しめます。さらに、塗装や着色にも適しており、そのままの風合いを楽しむのも、好みの色に着色するのも、どちらもおすすめです。

メープル

画像引用元:コサイン|coitti シェルフ

メープルは、カエデ科カエデ属に属する落葉広葉樹の総称で、さまざまな樹種があります。中でも人気が高いのが、北米産のハードメープルと呼ばれる種類です。非常に硬く、衝撃や傷にも強いため、書籍棚やテレビボードなど、重量のあるものを載せる棚に適しています。

木肌は白に近く、絹のような上品な光沢があるのも魅力です。空間を明るく、清潔感のある印象に仕上げてくれるため、北欧テイストやナチュラルモダンなインテリアによく合います。

使用用途に合わせた棚板の木材の選び方

画像引用元:MUKU工房|WOW ソラヘ サイドボード

DIYで棚を作る際は、柔らかく加工しやすい木材を選ぶのが基本です。ただし、棚のバリエーションは豊富なため、まずは収納するものの重さや用途を考慮することが大切です。

例えば、小物などを載せるための簡易的な棚であれば、ツーバイ材と金具を組み合わせて簡単に作れます。木材も、見た目の好みで選んでも問題ありません。

しかし、重いものを載せる本格的な棚を作る際は、強度が高い木材を使う必要があります。湿気の多い場所で使うなら、耐水性の高さも重要なポイントです。

棚板の木材選びで失敗しないポイント

棚板とは、棚の中に取り付ける板材のことで、収納物を置くための土台となる部分です。特に、DIYで棚を作る際は、収納物の重さを考慮して棚板に使う木材を選ぶ必要があります。以下では、棚板の木材選びで失敗しないポイントを紹介します。

耐荷重と強度を考慮する

耐荷重と強度は、棚板の木材選びにおいて重要なポイントです。耐荷重とは、棚板や棚全体が安全に支えられる重さのことで、木材の種類やサイズによって変動します。

特に、本棚やテレビボードなど重さがある物を置く場合には、棚板がたわまないよう、厚さ21mm以上の木材を選ぶと安心です。

また、DIYでは軽くて柔らかい木材が扱いやすいですが、強度が不足すると破損の原因につながります。特に、重い物を載せる棚を作る際は、木材のたわみや変形を防ぐために、金具や補強材を使った工夫が必要です。

仕上げや塗装のしやすさも重要

棚板の木材を選ぶ際は、仕上げや塗装のしやすさにも着目しましょう。塗装は、棚をインテリアの一部として美しく見せたい場合や、手触りを良くするために欠かせない工程です。

また、ホコリや汚れをつきにくくし木材の反りや劣化を防ぐなど、保護の役割もあります。そのため着色や塗装を施す場合は、塗料がなじみやすく着色ムラの出にくい木材を選ぶことがポイントです。

着色性が高い木材の種類

  • バーチ(カバ)
  • オーク(ナラ)
  • タモ

また、塗料の吸い込みやムラが出やすい木材を使いたい場合は、下地処理を加えるのがおすすめです。

下地処理がおすすめな木材の種類

  • パイン
  • メープル

まとめ

棚に使う木材は、用途やデザイン、強度に応じて選ぶことが重要です。例えば、重いものを載せる本棚やテレビボードには強度の高いタモやオーク、ウォールナットが適しています。

高級感やデザイン性を重視する場合はウォールナット、ナチュラルな雰囲気や扱いやすさを重視するならタモやパイン、加工や着色のしやすさを求めるならカバやメープルを選ぶと良いでしょう。DIYで棚を作るなら、軽くて扱いやすいパインがおすすめです。

ぜひ本記事を参考に、自分にぴったりな木材の種類を見つけてください。

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