ホームセンターで木材を買おうとしたとき、サイズ選びに困った経験はありませんか?「1×4」や「2×4」など、見慣れない表記に戸惑い、サイズが合わずに失敗したという方も少なくないでしょう。
実は、木材にはあらかじめ決められた規格サイズがあり、呼び名も異なります。サイズ選びで失敗しないためにも、木材の基本的なサイズ表記や実寸、呼び名を理解しておきましょう。
本記事では、旭川家具に精通する木工のプロが、木材のサイズの種類やサイズ表記について解説します。
木材のサイズの種類
DIYでよく使う木材のサイズが、「1×4」や「2×4」です。DIYの作り方にもよく登場するサイズ表記で、数字は木材の断面をサイズをインチ数で表しています。ここからは、それぞれのサイズについて詳しく解説します。
1×4と2×4のサイズの違いは?
1×4(ワンバイフォー)や2×4(ツーバイフォー)は、アメリカの建築工法で使用される規格サイズのことです。数字はそれぞれインチサイズを示しますが、実際の寸法とは異なります。
例えば、1×4は厚み1インチ(2.54cm)、幅が4インチ(10.16cm)と考えてしまいますが、実際には厚み19mm、幅89mmのサイズです。2×4は、1×4よりも厚みが38mmと倍になり、幅は同じであることを示します。他にも、幅のサイズによってさまざまな規格があります。
サイズ | 呼び方 | 断面のサイズ(およそ) |
---|---|---|
1×1 | ワンバイワン | 19mm×19mm |
1×2 | ワンバイツー | 19mm×38mm |
1×4 | ワンバイフォー | 19mm×89mm |
1×6 | ワンバイシックス | 19mm×140mm |
2×2 | ツーバイツー | 38mm×38mm |
2×3 | ツーバイスリー | 38mm×63mm |
2×4 | ツーバイフォー | 38mm×89mm |
2×6 | ツーバイシックス | 38mm×140mm |
2×8 | ツーバイエイト | 38mm×184mm |
なお、上記の規格サイズで製材された木材は、ワンバイ材、またはツーバイ材と呼ばれており、木材の種類は「SPF材」や「ホワイトウッド」が使用されています。
- SPF材…スプルース、パイン、ファーの3種類の木材の総称を指します。アメリカ、カナダが主な産地で、成長が早く加工しやすいため建築材によく使われている樹種です。
- ホワイトウッド…ヨーロッパやロシアから輸入される木材で、白っぽい色合いで節が小さい点が特徴です。耐久性や耐水性が低いため、湿気の多い環境での使用には適していません。
木材のサイズ表記の順番は?
木材のサイズ表記は、「長さ×幅×厚み」で記載されるのが一般的で単位はmmです。木材の価格は、木材の種類のほかにサイズによっても変動します。
木材の長さの単位と表記
木材の長さの単位は、一般的に「ft(フィート)」が使われます。フィートの長さの規格はいくつかありますが、DIYでよく使用される主要なものは以下の通りです。ただし、木材は乾燥によって縮むため、数ミリ程度の誤差が生じる可能性があります。
- 3ft(フィート)…約910mm
- 6ft(フィート)…約1,820mm
- 8ft(フィート)…約2,438mm
- 10ft(フィート)…約3,050mm
- 12ft(フィート)…約3,650mm
※1ft(フィート):約304.8mmです。
一般的な木材の規格寸法
ホームセンターなどで売られている木材は、ワンバイ材やツーバイ材のほかに「角材」、「板材」があります。
角材は、柱や梁、土台などの建物の骨組み、家具・棚の枠組み、DIY素材などで、よく使用されています。角材のサイズは「2×4材(ツーバイフォーザイ)」、または「ミリ単位材」が代表的です。
ミリ単位材とは厚さと幅を10mm単位でカットした木材のことで、長さもフィートではなくmm単位となっています。
一方、板材は厚さが薄く平らなのが特徴で、主に棚板や天板、家具の背板・側板、フローリングなどによく使われています。サイズは910mm×1820mmが基本で、半分や3等分にしたサイズで売られています。
国産木材では、これらの角材や板材を基本とし、柱や梁、土台などの構造材として使用されています。
木材のサイズの違いによる呼び名
木造建築の世界では、今でも日本の伝統的な寸法体系(尺貫法)が使われています。以下に、主な呼び名と、それぞれのサイズをまとめました。
名称 | 厚み×幅 サイズ(mm) | 役割 |
---|---|---|
ネタ | 45×105 | 床下地を支える横架材 |
間柱 | 30×105 | 壁の骨組みとなる垂直材 |
2寸タルキ | 45×60 | 屋根の傾斜を支える垂木 |
タルキ | 45×45 | 2寸タルキよりも細い垂木 |
ノブチ | 30×45 | 天井や壁の下地材 |
ドーブチ | 18×45 | 壁や天井の下地材 |
コマイ | 12.5×45 | |
ヌキ | 18×105 | 壁の貫(ぬき)として使用される横架材 |
四分板 | 12.5×150 | 壁や天井の羽目板 |
サンギ(普通) | 27×6027×50 | 壁や天井の下地材 |
サンギ(正寸) | 30×6030×50 | |
押角 | 105×105 | 柱や土台の補強材 |
足場板 | 45×21045×240 | 足場に使用する板材 |
まとめ
ホームセンターで木材を購入する際に見かける「1×4」や「2×4」などは、インチで表記された規格サイズであり、例えば1×4は約19mm×89mm(厚さ×幅)、2×4は約38mm×89mm(厚さ×幅)です。
ただし、実際のインチ数とはサイズが異なるため、基準となる1×4と2×4のサイズを覚えておきましょう。
また、ワンバイ材やツーバイ材以外の木材では、「長さ×幅×厚み」の順でサイズが表記されるのが一般的です。木材によっては、「ネタ」や「間柱」など、日本の伝統的な名称で呼ばれることもあります。
サイズ選びで失敗しないためにも、それぞれの規格を正しく理解しておくことが大切です。
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