フローリングに使われる木材の種類まとめ!特徴や目的別の選び方も紹介

リフォームや新築で、フローリングを検討している方も多いでしょう。フローリングにはさまざまな種類があり、使われる木材によって見た目や質感、機能性が大きく異なります。

フローリングは、お部屋の雰囲気づくりに大きく影響します。だからこそ、目的や使用する環境に適した木材を選ぶことが大切です。

そこで今回は、旭川家具に精通する木工のプロ「旭川木工センター」が、フローリングに使われる木材の種類について詳しく解説します。無垢フローリングと複合フローリングの違いや、選び方のポイントも紹介していますので、ぜひフローリング選びの参考にしてください。

フローリングの種類

画像引用元:東邦木材株式会社

木材を使用したフローリングには、「無垢フローリング」と「複合フローリング」の2種類があり、製材方法や機能性に違いがあります。以下では、フローリングの種類とそれぞれの特徴について詳しく解説します。

無垢フローリング

無垢フローリングとは、一本の木から切り出した板材を並べて組み合わせた床材を指します。

木そのものの質感を味わえるのが大きな特徴で、足触りが心地よく、木材本来の色合いや香りを楽しめます。さらに、時間の経過とともに木目や色味が深まり、経年変化ならではの味わいが生まれるのも大きな魅力です。

木本来の質感や手触りを直接感じられるメリットがある一方、湿気や乾燥によってひび割れや反りが生じやすいというデメリットもあります。

とくに床暖房と併用する場合は、熱による乾燥や収縮リスクが高まるため床暖房対応製品を選ぶ必要があり、一般的な無垢フローリングよりもコストが高くなる傾向にあります。

また、柔らかい樹種は傷がつきやすいため、小さなお子さまやペットのいるご家庭では、オイル塗装などの定期的なメンテナンスが欠かせません。

複合フローリング

複合フローリングは、集成材や合板の表面に天然木の薄板を貼り合わせた床材のことで、合板フローリングとも呼ばれています。

無垢フローリングに比べ、湿気や乾燥による変形が少なく、コストを抑えやすい点がメリットです。また、表面に貼る板材の厚さや加工方法によって、以下の3種類に分類されます。

挽き板フローリング

2〜3mmの天然木を、集成材または合板の表面に貼り付けた床材です。表面に厚みのある天然木を使用しているため質感は無垢フローリングに近く、傷がつきにくいのが特徴です。

無垢材よりもコストを抑えられますが、複合フローリングの中では価格が高めです。また、板材が厚いため、細かな加工や複雑な形状への対応が難しい場合があります。

突き板フローリング

0.2~0.3 mmの天然木を、集成材または合板の表面に貼り合わせた床材で、挽き板フローリングよりも薄く加工性に優れているのが特徴です。

耐久性を高めるためにコーティング加工が施された製品も多く、水拭きなどによるお手入れも手軽に行えます。

一方、表面の板材が薄いため無垢材特有の質感は得られず、傷がつきやすいのがデメリットです。さらに、劣化が進むと貼り替えが必要となる場合もあります。

シートフローリング

シートフローリングは、木目や石目などをプリントしたシートを集成材、または合板の表面に貼り合わせて作られる床材です。

表面にはコーティング加工が施されており、水が染みにくく汚れが目立ちにくいという大きなメリットがあります。また、1.5〜7mmと薄く加工性に優れているうえ、価格も手頃であるため、住宅や賃貸物件など幅広いシーンで利用されています。

ただし、傷がつくと表面のシートがめくれやすく、劣化が進むと貼り替えが必要になる点に注意が必要です。

無垢フローリングと複合フローリングの違い

無垢フローリングと複合フローリングの違いは、構造と接着加工の違いにあります。

無垢フローリングは、一本の木から切り出した単層材です。一方、複合フローリングは集成材や合板の上に天然木を重ね合わせた複合構造なのが大きな違いです。

以下に、無垢フローリングと複合フローリングのメリット・デメリットをまとめましたので、ぜひ参考にしてください。

種類メリットデメリット
無垢フローリング・天然木を多く使用しているため、木本来の質感・風合いを感じられる・足触りが良く、素足で歩くと心地が良い・断熱性・保湿性・調湿性に優れている・木の香りによるリラックス効果を得られる・湿気や乾燥の影響によりヒビ割れ・反りなどの変形が生じやすい・コストが高く、オイル塗装など定期的なメンテナンスが必要な樹種もある・品質にバラつきがある
複合フローリング・湿気や乾燥によるヒビ・割れ・反りなどの変形リスクが少ない・無垢フローリングと見た目が変わらない(挽き板・突板フローリングの場合)・シートフローリングは色や柄のバリエーションが豊富・コーティングされている製品も多く、お手入れが簡単・浅い傷には強いが、下地に達するほどの深い傷がついた場合は張り替えが必要・無垢フローリングのような質感・温もりは感じられない・製品が廃盤になる場合が多く、同じ材質や柄での部分的な貼り替えが難しい

フローリングに使用される木材の種類と特徴

画像引用元:東邦木材株式会社

木材は大きく分けると「針葉樹」と「広葉樹」の2種類があり、フローリング材として使う場合には、それぞれに次のような特徴があります。

種類針葉樹広葉樹
特徴・柔らかく、足触りが良い・軽量で加工しやすい・硬くて傷がつきにくい・重厚感と耐久性に優れる
色合い白〜黄色茶色~黒に近い色までさまざま
木目まっすぐな木目が多い複雑で個性的な木目が多い
質感柔らかく温かみのある質感硬くてしっかりとした質感

以下では、フローリングに使用される主な木材の種類とそれぞれの特徴を紹介します。

オーク(ナラ)

オークは、ブナ科コナラ属の落葉広葉樹の総称で、日本では一般的にナラと呼ばれています。特に、ナラといえば北海道に分布するミズナラを指す場合が多いです。

密度が高く、優れた耐久性と耐水性を兼ね備えているのがオークの特徴です。傷がつきにくく、水をこぼしても染みになりにくいため、小さなお子さまやペットがいるご家庭でも安心して使用できます。

さらに、虎斑(とらふ)模様の美しい木目と、広葉樹の中では比較的手頃な価格も魅力で、フローリング材として高い人気を誇ります。

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はっきりとした木目とベージュ系の優しい色合いで、明るく柔らかな印象です。色味や風合いが異なるインテリアにも合わせやすく、部屋全体が上品な雰囲気に仕上がります。

ウォールナット

ウォールナットはクルミ科クルミ属の落葉広葉樹で、チークやマホガニーと並ぶ世界三大銘木のひとつとしてよく知られています。

紫を帯びた濃い茶色の木肌とまっすぐな木目、しっとりとした艶が特徴で、重厚感と高級感が感じられます。

さらに、硬さがあり、耐久性・耐衝撃性にも優れているため、実用性とデザイン性の両方を重視する方におすすめです。

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落ち着きのある高級な色味で、モダンからクラシックまで幅広いインテリアにマッチします。

タモ

モクセイ科トネリコ属の落葉広葉樹で、優れた弾力性と耐衝撃性を持つ樹種です。建材や家具はもちろん、野球のバットやラケットなどのスポーツ用品にも広く使われています。

淡く美しい色合いと、均一でくっきりとした木目が特徴で、ナチュラルな雰囲気を感じさせます。足触りは滑らかでサラサラと心地よく、耐久性にも優れているため、小さなお子さまがいるご家庭でも安心して使えます。

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明るく温かみのある色合いで、北欧テイストやナチュラルテイストとの相性が抜群です。

【目的別】フローリングの木材の種類の選び方

画像引用元:東邦木材株式会社

フローリングに使う木材の種類を選ぶ際は、部屋の用途や目的に合わせることが重要です。

例えば、寝室などリラックス重視のお部屋には、木の質感や香り、風合いを楽しめる無垢フローリングがおすすめです。一方、汚れや水がつきやすい場所や床暖房を使いたい場合は、耐久性と機能性に優れた複合フローリングが適しています。

以下では、用途別・目的別に最適な木材の選び方をまとめましたので、フローリング選びの参考にしてください。

リビング

リビングは、日常的に人が集まり使用頻度が高い場所のため、耐久性が高く、傷や汚れにも強い木材がおすすめです。また、床暖房を使いたい場合は、熱による変形を抑えられる「複合フローリング(挽き板・突き板)」が適しています。

キッチン・水回り

キッチンや洗面所などの水回りには、水や油汚れに強くサッと拭き取れる素材が適しています。表面をコーティングしたシートフローリングであれば、拭き掃除が簡単にでき、清潔感を保ちやすいでしょう。

寝室

心地よくリラックスできる寝室には、木材の香りや温もりを感じられる無垢フローリングがおすすめです。中でも、ヒノキは芳醇な香りで癒し効果が高く、スギやパインは柔らかな足触りが特徴です。

子ども部屋

子ども部屋には、明るくナチュラルな印象を与える木材を選ぶとよいでしょう。また、転倒による怪我を防ぐためにも、安全性と耐衝撃性に優れた樹種が安心です。

まとめ

フローリングに使われる木材は、無垢フローリングと複合フローリングの2種類に大きく分かれます。無垢フローリングは自然な材質と木本来の質感・香りが魅力で、経年変化による色味の変化が楽しめます。

一方、複合フローリングは安定した強度とコストパフォーマンスに優れ、使う場所や目的に合わせて選びやすいのがメリットです。

また、樹種によって質感や風合い、強度などに違いがあります。ぜひ本記事で紹介した内容を参考に、自分の目的や好みに合ったフローリングを見つけてください。

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