
家づくりや家具選びで「タモ材」という言葉を耳にしたものの、「具体的にどんな木材なのか」「オーク材と何が違うのか」と疑問を抱いている方は多いのではないでしょうか。
タモ材は、力強い木目と明るい色合いが特徴の木材ですが、似た雰囲気を持つオーク材との違いを理解しておかなければ、後悔する選択をしてしまう可能性があります。
本記事では、タモ材の基本特徴からメリット、オーク材との比較、用途別の実例まで詳しく解説します。
理想の空間づくりを目指す方は、ぜひ参考にしてください。
タモ材とは?基本となる3つの特徴
タモ材は、力強い木目と明るい色合いが特徴的な広葉樹材です。家具や床材として人気が高く、スポーツ用品にも採用されています。
ここでは、タモ材が選ばれる3つの特徴を解説します。
1. 力強く、はっきりとした美しい木目

タモ材は、年輪が織りなす力強くはっきりとした木目模様が魅力のひとつです。木目は細かく均一でありながら、時に波打つようなダイナミックな表情を見せます。
単調になりがちな無垢材の中でも、タモ材は木目の個性が際立つ素材といえます。はっきりとした木目が、ナチュラルテイストの家具や内装材として採用される理由のひとつです。
木そのものの表情を楽しみたい方にとって、タモ材の木目は大きな魅力といえます。
2. 明るくナチュラルな色合い

タモ材の色調は、淡い黄褐色から乳白色を基調とした明るいトーンが特徴です。時にやや赤みを帯びた温かな色味も現れます。
光沢を帯びた表面は、空間全体を明るく開放的な印象に導きます。自然な明るさは、北欧風やナチュラルテイストのインテリアと相性が良く、柔らかな雰囲気を演出可能です。
濃い色の木材と比べて色による圧迫感が少ないため、リビングや寝室などの長時間過ごす空間にも向いています。
明るい色合いは経年変化により深みを増し、使い込むほどに味わいが生まれていきます。
3. スポーツの木製品にも使われる「弾力性」と「丈夫さ」

タモ材は硬さと強度に優れ、同時に粘りのある弾力性を兼ね備えた木材です。野球のバットやテニスのラケットなどのスポーツ用品にタモ材が採用されるのは、この弾力性と丈夫さが理由です。
家具や床材も優秀です。日常的な使用による傷や衝撃に強く、長期間の使用に耐える耐久性を発揮します。
硬いだけでなく適度なしなやかさがあるため、加工時に割れにくく、精密な造形もできます。実用性と美しさを両立させたい空間づくりにおいて、タモ材の物理的強度は安心材料のひとつといえます。
なぜ選ばれる?タモ材を採用する4つのメリット

ここでは、タモ材が持つ4つの具体的なメリットを解説します。
メリット1:空間に表情を与える豊かな木目
タモ材は、はっきりとした均一な木目が魅力です。まっすぐに伸びるラインや波打つような美しいうねりが、空間に自然なリズムと奥行きを生み出します。
木目の表情は天然木ならではの個性であり、同じ模様が二つとない唯一性を持っています。ダイニングテーブルや建具に使用すると、木目そのものがインテリアのアクセントとなり、空間に高級感と存在感をもたらします。
視覚的な美しさが際立つため、デザイン性を重視した家具選びにおいて魅力となるでしょう。
メリット2:丈夫で傷がつきにくい(耐久性)
タモ材は硬くて高密度な構造を持ち、耐久性と耐衝撃性に優れた木材です。毎日使用するダイニングテーブルやフローリングに採用しても、傷や凹みが起きにくく長期間美しい状態を保てます。
家具として使用する場合に、日常的な衝撃や重量に耐える強度は大きなメリットです。子どもがいる家庭にとっても実用性の高さはメリットといえます。
長く愛用できる家具を求める方にとって、タモ材の耐久性は重要な選択基準のひとつです。
メリット3:加工しやすく多様なデザインに対応可能
タモ材はまっすぐで均質な木質構造を持つため、加工時の狂いや変形が少なく安定した品質を確保できます。この特性により、カットや曲げ加工、接着といった木工作業をスムーズに進めることができるので精密なデザインの実現が可能です。
複雑な形状の家具や建具にも対応でき、職人の技術を活かした細やかな造形も行えます。部材ごとに品質が安定しているため、複数のパーツを組み合わせる家具製作においても、仕上がりのばらつきが少なくなります。
理想の空間を実現したい方にとって、加工性の高さは重要な要素となるでしょう。
メリット4:どんなインテリアにも馴染むナチュラルな風合い
タモ材は淡いベージュ系から明るいブラウンの色調を持ち、以下にまとめた多様なインテリアスタイルに調和します。
- 和モダン
- 北欧風
- ナチュラルテイストなど
また、明るい色合いは光をやわらかく反射してくれるので空間全体を広く明るく見せます。主張しすぎない自然な風合いは、壁紙やファブリック、他の家具との組み合わせも抜群です。
インテリアの方向性が定まっていない段階でも選びやすく、将来的な模様替えにも対応できる柔軟性はタモ材の魅力です。
タモ材とオーク材(ナラ材)の違い


タモ材とオーク材は見た目が似ているため混同されがちですが、木目・色合い・硬さ・価格に明確な違いがあります。
ここでは、4つの視点から比較します。
比較1:見た目(木目)の違い
タモ材の木目は直線的で均一、はっきりと見えながらもシンプルな印象を与えます。一方、オーク材には「虎斑(とらふ)」と呼ばれる虎の毛のような独特の斑点模様が現れます。
虎斑はオーク材特有の装飾性であり、木目そのものが空間に高級感と個性を演出します。タモ材はすっきりとした木目で統一感のある空間づくりに適しております。
好みや空間の方向性に応じて、木目の表情を選ぶことが重要です。
比較2:色合いと質感の違い
タモ材は淡黄白色からベージュ調で、やや灰色を帯びた明るくすっきりとした色合いが特徴です。軽やかで爽やかなナチュラル色は、空間を広く見せる効果があります。
一方、オーク材は黄色系からライトブラウンの色調で、暖かみと重厚感を感じさせる風合いを持ちます。質感においても、タモ材は明るく軽やかな印象を与えるのに対し、オーク材は木の存在感が強く重厚な雰囲気を演出します。
空間に求める印象により、色合いと質感の違いは選択する際の重要な基準です。
比較3:硬さ・重さの違い
タモ材はやや柔らかく弾力性があり、比重は0.55から0.65程度です。一方、オーク材はより硬くて重く、比重は0.65から0.75程度となります。
オーク材の方が硬度と重量感に優れ、重厚な質感を持つのが特徴です。タモ材は弾力性と軽やかさがメリットであり、衝撃を吸収するしなやかさを兼ね備えています。
硬さの違いは、家具の使用感や床材を選ぶ際の重要な判断材料です。重厚感を求めるならオーク材、適度な弾力性と扱いやすさを重視するならタモ材がおすすめです。
比較4:価格帯の違い(どっちが高い?)
オーク材(ナラ材)の方が一般的に高価な傾向があります。ブランド家具や欧米産の木材市場においても、オーク材の価格帯は上位に位置します。
それに比べてタモ材は流通量が多く、ややリーズナブルな価格設定になるケースが一般的です。
予算を重視する場合は、タモ材の方が比較的手に入れやすい選択肢となるでしょう。用途・質感・予算のバランスを考慮して選び分けるのがおすすめです。
タモ材はどんな空間に合う?用途別の実例
タモ材は明るくナチュラルな風合いと力強い木目が特徴で、住宅から施設まで幅広い空間に活用されています。
ここでは用途別の実例を解説します。
用途例1:床材(フローリング)

タモ材のフローリングは、力強くはっきりとした木目と淡い色合いが空間を明るく広々と演出します。和室にも洋室にも自然に馴染むため、住宅の床材として人気が高いです。
また、弾力性に優れているため、足腰への負担が少なく高齢者や子供のいる家庭にも向いています。長期間使用することで経年変化が生まれ、ワントーン濃い茶色へと変化していきます。自然な変化は木材ならではの味わいであり、使い込むほどに深みを増していくのが魅力です。
耐久性と美しさを兼ね備えたタモ材フローリングは、快適な暮らしを支える床材といえます。
用途例2:家具(ダイニングテーブル、椅子、棚)

タモ材のダイニングテーブルや椅子は、シャープでナチュラルな印象を与える仕上がりなので多様なインテリアスタイルと調和します。
木目の美しさと手触りの良さを活かした棚やテレビボードなど、コーディネート実例も豊富です。
オーク材との組み合わせも相性が良く、異なる素材を混在させても違和感なく空間に溶け込みます。
無垢材ならではの温もりと耐久性を兼ね備えたタモ材家具は、日常生活に寄り添う家具として人気が高いです。
用途例3:内装・建具

タモ材は以下の内装建材にも広く活用されています。
- 壁材
- 天井材
- 室内ドアなど
また、力強い木目と温かみのある風合いが空間全体に自然な表情を与えます。住宅の玄関ドアや枠材、キッチンの造作棚にも使用されています。
シンプルなデザインで調和が取りやすく、明るく清潔感のある空間に仕上がるのも特徴です。
フローリングや家具と素材を統一することで、空間全体に一体感が生まれ、洗練された印象を演出できるでしょう。
まとめ
タモ材は、力強い木目と明るいナチュラルな色合いが魅力の木材です。高い耐久性と弾力性を兼ね備え、家具や床材、内装材として幅広く活用されています。
オーク材と比較すると、直線的でシンプルな木目と軽やかな風合いが特徴で、価格面もやや手に入れやすい傾向にあります。また、加工性の高さとデザインの自由度も魅力です。
本記事を参考に、理想のタモ材家具や内装材を見つけてみてください。
木に関するお悩みは「旭川木工センター」にご相談ください!
「旭川木工センター」は、家具・建具・クラフト・木材・木工機械のメーカーが集まったプロ集団のコミュニティです。
合板加工、建具、家具など、さまざまな木工職人が所属する11社の中から、お客様の「木」に関するお悩みやご要望に応じて適切なサービスをご紹介します。
- カスタマイズしたい
- 家具を製作・注文したい
- 家具を修理したい
- 木材を探している
- 技術講師を頼みたい
こんなお悩みをお持ちの場合には、ぜひ「旭川木工センター」にご相談ください。