建築に使う木材の種類一覧!構造材・内装材におすすめの樹種を紹介します

柱や梁、フローリングなど、建築に使う木材の選び方に悩んでいませんか?

木材は、色や木目などの見た目はもちろん、強度や耐久性、耐水性も異なるため、用途に応じて選ぶことが重要です。

しかし、木材は多種多様で「どうやって選べばいいのかわからない」「構造材や内装材にはどの木材がいいの?」と迷ってしまう方も少なくありません。

そこで今回は、旭川家具に精通する木工のプロ「旭川木工センター」が、建築に使う木材の種類について解説します。

構造材に使う木材の選び方、内装材におすすめの樹種についても紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

建築木材に使用される無垢材と集成材の特徴

建築に使用される木材は、主に「無垢材」と「集成材」の2種類に分かれます。

無垢材の特徴

無垢材は、天然木をそのまま使用した材木のこと。接着剤などの科学製品を一切使用せず、体に優しいのが特徴です。さらに、木本来の質感や風合い、時間の経過とともに色合いの変化も楽しめます。

また、同じ樹種でも、全く同じ木目をした木材はありません。つまり、世界にひとつだけのオリジナルの家に仕上がるのです。

無垢材は製材された後でも、湿気を吸ったり吐いたりしながら湿度を調整する性質を持ちます。そのため、夏のジメジメした時期はサラッと快適に、乾燥しがちな冬場は適度な湿度を保つ効果が期待できます。

ただし、湿気を吸ったり吐いたりするたびに収縮するため、ひび割れや歪み、反りなど変形が起きる場合があります。木材によっては、傷やへこみがつきやすいものもあるため、注意が必要です。

集成材の特徴

一方、「集成材」は、薄くスライスした原木や小角材を繊維方向が平行になるように重ね、接着した木材を指します。節や腐食した部分を取り除いた木材を貼り合わせるため、強度が一定で安定した品質を持つのが特徴です。

価格は無垢材に比べて比較的安価で、ひび割れや歪みなどの変形が起こりにくい点がメリットです。ただし、接着剤の耐用年数によっては、無垢材よりも寿命が短くなる傾向があります。

使用される接着剤に含まれる有害物質によって、シックハウス症候群などの健康被害が生じる恐れもあるため、注意が必要です。

建築に木材を使うメリット・デメリット

建築に木材を使うメリット・デメリットは、以下の通りです。

建築に木材を使うメリット

  • 天然木ならではの色合いや木目により、デザイン性が高く、他とは違うオリジナルの家を実現できます。
  • 木材は熱伝導率が低く、断熱性に優れているほか、吸湿・放湿により湿度を調整する効果も期待できます。そのため、夏はサラッと涼しく、冬は適度な湿度で暖かい環境を保てます。
  • 建築に木材を利用すると、木の自然な色合いや香りによるリラックス効果が期待できます。紫外線の吸収・反射を防止する働きがあり、目に優しいのも特徴です。さらに、優れた衝撃吸収能力により、転倒時のケガの防止にもつながります。
  • 木材は、燃えると表面が炭化し木材内部の燃焼を防ぐ性質があります。建物に木材を使用すれば、火災による建物の倒壊リスクを避けられます。
  • 加工工程でのエネルギー消費が少ないため、経済的かつ環境に優しい点も木材ならではの魅力です。

建築に木材を使うデメリット

  • 同じ樹種でも、節の数やヒビなど、品質や見た目にバラつきがあります。
  • 木材に含まれる水分量によっては、施工後に反りや割れなどのトラブルが発生するリスクがあります。また、シロアリやカビの被害が生じやすい点も、木材のデメリットのひとつです。木材の種類や構造によっては、防腐処理や塗装など、定期的なメンテナンスが必要になる場合があります。
  • 防火地域・準防火地域・法22条区域では、使用できる木材が限られるため、希望の木材が使えない可能性があります。

住宅建築に使われる木材の種類と特徴

ここからは、住宅建築に使われる木材の種類と特徴について詳しく解説します。

柱(構造部)に使われる木材スギ、ヒノキ、ホワイトウッド
内装材に使われる木材スギ、ヒノキ、ヒバ、ウォールナット、サクラ、ナラ、チーク、パイン

木造住宅の柱の種類と選び方

柱は、建物全体を支える重要な構造部分であるため、高い圧縮性能が求められます。湿気に強く、腐りにくいかどうかも重要なポイントのひとつです。また、横に広がって成長する広葉樹よりも、上にまっすぐ伸びる針葉樹の方が、長さが必要な柱や梁に適しています。

ただし、いくら強度が強い木材でもシロアリが発生すると木材の内部が食べられ、柱の内部がスカスカのスポンジ状態になってしまいます。こうした被害を避けるためにも、防虫効果が高い樹種を選ぶのがおすすめです。

なお、住宅の柱によく使われる樹種には、スギ・ヒノキ・ホワイトウッドがあげられます。

スギ

軽くて柔らかく加工しやすいのが大きな特徴。建築材はもちろん、内装材にもよく使われています。

ヒノキ

強度・耐久性が強く、防虫効果を持つ木材。神社仏閣や住宅の柱材によく使われています。

ホワイトウッド

ホワイトウッドとは、ドイツトウヒ、ヨーロッパスプルース、ノルウェイスプルースなど、マツ科トウヒ属の樹種の総称。乾燥による収縮が少なく、加工しやすいのがメリットです。湿気やシロアリの問題があるため、日本では集成材に加工したうえで使用されています。

住宅の内装材としてよく使われる木材の種類

スギ

国産材の中では、もっともポピュラーな樹種。軽くて柔らかいため加工しやすいのが特徴です。均等に並んだ直線の木目と、明るく薄黄色の木肌を持ち、ナチュラルな雰囲気を感じられます。

ヒノキ

軽くて柔らかいにもかかわらず、耐湿性や耐久性に優れています。木肌は白〜淡赤色で、上品な光沢を帯びた美しい質感が特徴です。芳醇な香りもあり、内装に使用すればリラックス効果も期待できます。

ヒバ

ヒバはヒノキ科の樹種で、耐湿性や耐久性に優れています。ヒノキと同じヒノキ科の木材のため、どちらもよく似た性質を持ちますが、ヒバのほうがヒノキよりも香りが強く、木肌は薄い黄色です。

ウォールナット

ウォールナットは、世界三大銘木のひとつに数えられる人気の樹種です。紫がかった濃い茶色と整った木目が魅力で、内装材や家具に使用すれば高級感のある空間に仕上がります。

サクラ

滑らかで心地よい手触りと、桜の華やかな香りが特徴です。密度が高く、汚れや水分が染み込みにくく、耐久性にも優れています。

ナラ

ナラは、木材の中でも重くて硬い樹種で、耐久性にも優れています。美しい虎斑(とらふ)模様の木目も、魅力のひとつです。

チーク

チークは、ウォールナットと並ぶ世界三大銘木のひとつです。天然の油分「タール」を多く含んでおり、耐水性や耐久性に優れています。手触りはしっとりとなめらかで、経年変化により色合いに深みが増していくのも魅力です。

パイン

パインとは、マツ科に属する針葉樹の総称です。世界には50種以上のマツ科の樹種が存在しますが、なかでも北米やヨーロッパ産のものが多く利用されています。柔らかく加工しやすいほか、価格も手頃なため、建築材はもちろん、DIY用の木材としても人気があります。

まとめ

ここまで、建築に使う木材の種類について詳しく解説しました。

建築に使う木材は、まず「無垢材」と「集成材」に分かれます。無垢材は天然の資材であるため、品質にばらつきがあります。一方、集成材は、強度や品質が規格化されており品質が安定しています。しかし、無垢材のような自然の風合いは感じられません。

そのため、木造住宅では柱や梁などの構造部には集成材を、目につきやすい内装材には無垢材を使うケースが一般的です。

また、木材は見た目の美しさ、強度、耐久性、耐水性、耐蟻性など、異なる性質を持ちます。木材を選ぶ際には、ぜひ本記事で紹介した内容を参考にしてください。

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