
家具や床材の木材選びで迷っている方も多いのではないでしょうか。木材には様々な種類がありますが、中でもウォールナット無垢材は、深い色合いと美しい木目で世界三大銘木として人気を誇ります。
ただし、ウォールナット無垢材は価格や他の木材との違いなど、購入前に理解すべき点もあります。
この記事では、ウォールナット無垢材の魅力から、オーク材との比較、具体的な使用シーンまで解説。ウォールナット無垢材の購入を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
ウォールナット無垢材だけが持つ5つの魅力と特徴

ウォールナット無垢材は、世界三大銘木のひとつに数えられる高級木材です。深い色合いと美しい木目が空間に上質さをもたらし、使い込むほどに味わいが増していきます。
ここでは、ウォールナット無垢材だけが持つ5つの魅力を解説します。
1. 唯一無二の美しい木目と深い色合い(高級感の源泉)

ウォールナット無垢材は、紫がかったダークブラウンからチョコレート色へと変化する深い色合いが特徴です。独特の色味は化学的な着色では再現することが難しく、天然木だけが持つ自然な美しさを生み出します。
木目には、一枚として同じ表情を持たない個性もあります。空間に配置するだけで視覚的な重厚感が生まれ、人工的な素材では決して得られない、本物だけが持つ上質な印象がウォールナットの魅力です。
2. 時間と共に深まる「育てる」楽しみ(経年変化)

ウォールナット無垢材は、使用開始時の濃い色合いから、年月を経るごとに明るく柔らかな茶色へと変化していきます。色の変化は劣化ではなく、木が呼吸を続けながら成熟していく証です。
正しいオイルメンテナンスを施すことで木肌はなめらかさを増し、光沢も深まっていきます。購入時の姿とは異なる表情へと変わっていく過程は、まさに「育てる」木材という言葉がふさわしいです。
突板や集成材では味わえない、無垢材だけが作り出す楽しみの1つです。
3. 世代を超えて使える高い耐久性と堅牢性

ウォールナットは広葉樹の中でも硬度が高く、衝撃や摩耗に対する強度に優れています。堅牢性のおかげで、日常的に使用するダイニングテーブルや床材として長期間にわたり美しさを保ち続けます。
また、世界三大銘木に数えられる理由は耐久性の高さにもあります。安価な家具を数年ごとに買い替える選択肢と比較すると、初期投資は高くても長い目で見れば経済的です。
一生モノとして選ぶ価値のある素材であり、世代を超えて使い続けられる信頼性がウォールナットの強みです。
4. 思わず触れたくなる、なめらかな手触りと質感

ウォールナット無垢材は丁寧に研磨と仕上げを施すことで、しっとりとした滑らかな手触りを実現します。天然木特有の調湿機能により、季節を問わず肌に心地よい温もりを感じられます。
プラスチックや金属といった人工素材は触れた瞬間に冷たさや硬さを感じますが、無垢材は木の繊維が持つ柔軟性により優しく手になじみます。毎日手を置くダイニングテーブルや、素足で歩く床材として使用する際に質感の違いは日々の暮らしに満足感をもたらします。
表面だけの薄い層でできた突板では、無垢材のような深い手触りは得られません。木そのものの質感を五感で味わえることが、ウォールナット無垢材を選ぶ理由のひとつです。
5. 突板や集成材では得られない「本物」の満足感

無垢材は1本の原木から切り出された一枚板であり、木目の流れや色の濃淡、節の位置まですべてが異なります。この唯一無二の個性こそが、所有する喜びと満足感を生み出します。
突板は薄い化粧板を貼り合わせたもので見た目は似せられますが、断面を見れば構造の違いは明らかです。集成材は小さな木片を接着剤で固めたものであり、時間が経過しても無垢材のような味わい深い変化は起こりません。
長く愛用する家具に妥協を許さない方にとって、ウォールナット無垢材はおすすめの選択肢です。
「ウォールナット」無垢材と「オーク」無垢材の違いは?


ウォールナットとオークは、どちらも無垢材家具で人気の高い木材です。選択に迷う方が多い2つの素材ですが、色合い・硬さ・価格帯において明確な違いがあります。
ここでは、それぞれの特性を比較しながら解説します。
色合いと印象の違い
ウォールナットとオークは、色合いにより空間に与える印象が異なります。
下記の表で2つの木材の色合いと印象の違いをまとめました。
| 項目 | ウォールナット | オーク |
|---|---|---|
| 色合い | 紫がかったダークブラウン~チョコレート色 | 明るいベージュ~黄色系 |
| 空間の印象 | 高級感、重厚感、モダン | ナチュラル、温かみ、素朴 |
| 経年変化 | 濃い色から徐々に明るい茶色へ変化 | 飴色に深まり、味わいが増す |
| 木目の特徴 | 柔らかく上品な印象 | 力強くはっきりとした表情 |
ウォールナットは落ち着いた大人の空間を作りたい方に、オークは明るく開放的な雰囲気を好む方におすすめです。
インテリアのテイストや好みに応じて、選択することが重要です。
素材の硬さの比較
ウォールナットとオークは、どちらも広葉樹で耐久性が高い木材ですが、硬さには違いがあります。
下記の表で2つの木材の硬さと特性をまとめました。
| 項目 | ウォールナット | オーク |
|---|---|---|
| 硬さの程度 | 硬いが、オークと比較するとやや柔らかい | 非常に硬く、傷が付きにくい |
| 耐久性 | 高い耐久性を持ち、長期使用に適している | 極めて高い耐久性で使用頻度の高い場所に最適 |
| 衝撃への強さ | 重いものを落とすとへこみやすい | 衝撃に強く、へこみにくい |
| 適した用途 | テーブル、キャビネットなど通常使用の家具 | フローリング、椅子など負荷の高い用途 |
どちらも強度は十分ですが、極めて重さや使用頻度を重視する場合はオークがおすすめです。日常的な家具として使用するのであれば、ウォールナットでも十分な耐久性を発揮します。
価格帯の目安
ウォールナットとオークでは、希少性と人気の違いから価格帯に差が生じます。
下記の表で2つの木材の価格相場を比較しました。
| 項目 | ウォールナット | オーク |
|---|---|---|
| 1㎡あたりの価格相場 | 約17,000〜24,000円 | 約12,000〜19,000円 |
| 価格差の理由 | 希少価値が高く、世界的な需要が多い | 比較的安定した供給があり入手しやすい |
| 価格変動の要因 | 塗装・仕上げ、グレードにより変動 | 塗装・仕上げ、グレードにより変動 |
| コストパフォーマンス | 高級感を求める方には投資価値がある | 耐久性と価格のバランスに優れている |
ウォールナットはオークよりも1㎡あたりの金額が高い傾向にあります。どちらも塗装や木材のグレードにより価格は変動するため、実際の見積もりで確認することが大切です。
ウォールナットの無垢材が使用されるシーン
ウォールナット無垢材は、その美しい木目と高級感から家具・建具・床材など幅広い用途で採用されています。
空間全体に統一感と上質さをもたらす素材として、住宅やインテリアのさまざまな場面で活躍します。
家具

ウォールナット無垢材は、以下の多様な家具に採用されています。
- ダイニングテーブル
- チェア
- テレビボード
- チェストなど
深い色合いと美しい木目が空間に高級感をもたらし、使い込むほどに味わいが深まる点が魅力です。無垢材は加工の自由度が高く、デザイン性の高い家具制作にも適しています。
一枚板のテーブルや存在感のあるキャビネットは、部屋の主役として長く愛用できる家具といえます。
建具


引用:太陽工業有限会社
ウォールナット無垢材は、以下の建具にも広く使用されています。
- ドア
- 収納扉
- 枠材
- 飾り棚など
重厚で落ち着いた色合いが空間全体に統一感を与え、シックで洗練された印象を作り出します。
和洋折衷の建築にも調和しやすく、モダンな空間から伝統的な和の空間まで幅広く対応できる柔軟性も魅力です。建具に無垢材を使用することで、触れるたびに木の温もりを感じられ、経年変化とともに深まる風合いが住まいに愛着をもたらします。
床材

引用:東邦木材株式会社
ウォールナット無垢材は床材としても人気を誇ります。耐久性と高級感を兼ね備え、素足で歩いたときの心地よさは合板フローリングでは得られない魅力です。
経年変化により濃い色から明るい茶色へと変化していく過程も、床材ならではの楽しみ方といえます。他の素材との組み合わせも抜群で、白い壁や明るい家具と合わせることで空間にメリハリが生まれます。
毎日触れる床だからこそ、本物の無垢材がもたらす質感と満足感に大きな価値を感じることができるでしょう。
まとめ
ウォールナット無垢材は、美しい木目と深い色合いを持つ高級木材です。家具から建具、床材まで幅広く活用され、経年変化による風合いの深まりが楽しめます。
価格は高めですが、耐久性と満足感を考えると長期的に価値のある投資といえます。
本記事で紹介した特徴や他の木材との違いを参考に、理想のウォールナット製品を見つけてください。
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