ウォールナットは経年変化でどう変わる?色の変化の目安から仕上げ別の違いまで解説!

ウォールナットは経年変化でどう変わる?色の変化の目安から仕上げ別の違いまで解説!

ウォールナット家具の購入を検討している方や、既に所有している方の中には、「色が薄くなるのは劣化なのか」「どのくらいで色が変化するのか」と悩みを抱えているも多いのではないでしょうか。

ウォールナットは、黒褐色から琥珀色へと変化する経年美が魅力の木材ですが、変化の速度や仕上げ方法による違いを理解しておかなければなりません。

本記事では、ウォールナットの経年変化の特徴から、オイル・ウレタン仕上げの違い、美しく育てるお手入れ方法まで詳しく解説します。ウォールナット家具を長く愛用したい方は、ぜひ参考にしてください。

ウォールナットの経年変化の特徴

ウォールナットの経年変化の特徴

ウォールナットは黒に近い深い褐色から、時間とともに明るく変化する木材です。紫外線や酸化の影響で色味が抜け、琥珀色や温かみのあるブラウンへと成熟します。

ここでは、その変化の特徴を詳しく見ていきます。

黒褐色から美しい琥珀色への成熟 

ウォールナットは、最初黒に近い濃褐色や紫がかった冷たい印象をしておりますが、紫外線と内部化学物質の酸化により明るく優しいブラウンへと色合いが変化します。

数十年経過すると艶が増し、触感もなめらかになり、独特の温かみと深みが生まれます。オイル仕上げやウレタン塗装、設置場所の日照条件でも違いが生まれるのも特徴です。

オイル仕上げでは変化が顕著に現れ、ウレタン塗装は緩やかに進行するため、仕上げ方法の選択が経年変化の速度や風合いに影響します。

琥珀色への成熟は、劣化ではなく木材が持つ本来の美しさが引き出される過程そのものです。

ウォールナット経年変化の主な要因とメカニズム

ウォールナットの経年変化は、複数の要因で進行します。

以下に主な要因をまとめました。

要因メカニズム
タンニンやポリフェノール木内部の成分が空気中の酸素と反応して酸化する
紫外線リグニンという木材の構成成分が分解・変質することで、色味が明るくなる
手や足日常的に触れることで起こる摩耗や磨きも、表面に光沢をもたらす

ウォールナットの経年変化は、光と酸素という外的要因と、木そのものが持つ成分という内的要因により生まれる自然現象です。変化を遅らせたい場合は、紫外線の影響を抑えるウレタン塗装がおすすめです。

逆に、変化を積極的に楽しみたい場合は、オイル仕上げを選び木材本来の呼吸を妨げないことで、より豊かな経年変化を体験できます。

他の木材(オーク、チェリー)との経年変化の違い

ウォールナット、チェリー、オークは、経年変化に大きな違いがあります。

以下に、3つの木材の変化をまとめました。

木材経年変化の方向色合いの変化
ウォールナット段々明るくなる黒褐色→琥珀色・ライトブラウン
チェリー徐々に色濃くなる淡いピンク~薄茶→深みのある赤茶・オレンジ
オーク黄色味・明るさが増す薄いベージュ→やや黄みの増した淡茶

経年変化の違いを理解することで、将来的な家具のイメージを作ることができるでしょう。

どのくらいで変化する?ウォールナットの経年変化の速度の目安

どのくらいで変化する?ウォールナットの経年変化の速度の目安

ウォールナットの経年変化は、使用環境や仕上げ方法により速度が異なりますが、目安はあります。

以下にウォールナットの経験変化の速度の目安をまとめました。

経過年数色合いの変化
1年目黒に近い深い色合いから、やや黄色味がかった温かみある色へと変化
3~4年目木目がよりくっきりと際立ち、全体はライトブラウン色に落ち着く
7~10年目さらに明るくなり、艶や光沢が増す

日当たりの良い場所や、オイル仕上げの家具では変化が早く進みます。経年変化の目安を知ることで、ウォールナット家具を選ぶ際や、利用してから役に立ちます。

仕上げ(塗装)で変わるウォールナットの経年変化のスピードと風合い 

ウォールナットの経年変化は、仕上げ方法により速度と風合いが変わります。

ここでは、2つの仕上げ方法の特徴を解説していきます。

オイル仕上げ:変化をダイレクトに楽しむ「育てる」仕上げ 

オイル仕上げ:変化をダイレクトに楽しむ「育てる」仕上げ 

オイル仕上げは、木材表面に膜を張らずにオイルを直接浸透させる仕上げ方法です。ウォールナット本来の色や手触り、質感をそのまま楽しめるので木の温もりを感じられます。

表面が紫外線や空気に触れやすいので、変化するスピードが速いです。通常1年から3年で色の変化や艶の成熟が現れます。

使い込むほどに艶や深み、ナチュラルな風合いが増し、家具を育てる楽しみが得られます。オイル仕上げは定期的なオイル再塗布やワックスケアが必要ですが、メンテナンスをすることで美しさを保つことが可能です。

変化を積極的に楽しみたい方や、木の質感を直接感じたい方におすすめの仕上げ方法です。

ウレタン仕上げ:ゆっくりと変化する「保護する」仕上げ 

ウレタン仕上げ:ゆっくりと変化する「保護する」仕上げ 

ウレタン仕上げは、表面に強固な塗膜を形成する仕上げ方法です。ウレタン層が木材を覆うことで、耐摩耗性や耐水性に強くなるので環境からくる影響を緩和します。

木質が紫外線や空気に直接晒されにくいため、経年変化の速度が遅くなり、3年から5年以上かけてじわじわと変化します。変色や艶変化はオイル仕上げに比べて穏やかなので購入時の色合いを長く保ちたい方におすすめです。

日常的な汚れや傷も付きにくいため、小さな子供がいる家庭や、手入れに時間をかけられない方にも向いている仕上げ方法です。

変化を育てる楽しみや個性を重視したい方はオイル仕上げ、変色を遅らせ保護を重視したい方はウレタン仕上げがおすすめです。

経年変化を活かす、美しく育てるお手入れ方法

ウォールナットを美しく育てるには、経年変化を活かす丁寧なお手入れが必要です。

ここでは、具体的なお手入れ方法を解説していきます。

基本のお手入れ方法

ウォールナット家具の美しさを保つには、日常的な基本のお手入れが欠かせません。水分や油分が長期間付着すると、シミや変色の原因になるため、汚れはすぐに乾拭きか固く絞った布で拭き取りましょう。

直射日光が当たる場所では色あせが進みやすいため、紫外線吸収ワックスやコーティング剤を使用し、色の変化速度を緩やかにします。

季節や湿度変化にも注意しなくてはなりません。特に冬季は空気が乾燥するため、加湿器を使用したり、オイルメンテナンスの頻度を増やすのがおすすめです。

適切な湿度環境を維持しながら、こまめに乾拭きすることで、ウォールナット本来の美しい経年変化を楽しむことができます。

お手入れする際の注意点

ウォールナット家具のお手入れには、避けるべき行動があります。

以下の表で注意点を確認しておきましょう。

注意点理由
中性洗剤や家具用クリーナーの使用木材に染み込むことで変色やシミの原因になる。
濡れた布で長時間拭く水分が残ると木材が膨張し、反りや割れの原因になる。
溶剤やアルコールの使用木材表面を傷め、オイルやワックスを溶かしてしまうので白く変色する可能性がある。

また、水をこぼした場合はすぐに拭き取ることが大切です。日常的なお手入れは乾拭きを基本とし、どうしても汚れが落ちない場合のみ、固く絞った布で優しく拭き取りましょう。

まとめ

ウォールナットは、黒褐色から琥珀色へと変化する経年美が魅力の高級木材です。1年ほどで黄色味が増し始め、3〜4年で明るいライトブラウンへ、10年ほどで艶と滑らかな手触りが生まれます。

オイル仕上げでは変化を早く楽しめ、ウレタン仕上げでは緩やかに変化します。定期的なオイルメンテナンスや日常の乾拭きにより、美しさを長く保つことが可能です。

チェリーやオークとは異なる独自の変化を持つウォールナットは、時間とともに育てる喜びを与えてくれる木材です。

本記事を参考に、理想のウォールナット家具を見つけてください。

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