ウォールナット家具の選び方!無垢材と突板の違いから手入れ方法まで徹底解説

ウォールナット家具の選び方!無垢材と突板の違いから手入れ方法まで徹底解説

家具選びに迷っている方も、木材には様々な種類がありますが、中でもウォールナット材は、深い色合いと美しい木目で世界三大銘木として高い人気を誇ります。

ただしウォールナット家具は、無垢材と突板の違いや仕上げ方法など選択肢が多く、価格や手入れの手間も考慮する必要があるため、特徴を正しく理解しなければなりません。

この記事では、ウォールナット家具の魅力から素材や仕上げの違い、種類別の選び方、お手入れ方法まで分かりやすくご紹介します。ウォールナット家具の購入を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

ウォールナット家具の魅力

ウォールナット家具の魅力

ウォールナットは、チーク・マホガニーと並ぶ世界三大銘木の一つです。なぜこれほど多くの人々を魅了し続けるのか、その理由をここでは3つに分けて解説します。

魅力1:空間を引き締める、深みのある濃い色合いと流麗な木目 

ウォールナットは、紫がかった深いブラウンの色合いと流麗な木目が空間に重厚感と落ち着きをもたらします。

独特の色味は、他の木材にはない上質な雰囲気を演出します。心材と辺材の色のコントラストにより生まれるマーブル状の模様は、自然素材ならではの一点ものです。

同じ木目は二つとして存在しないため、あなただけの家具として愛着が深まります。反射光や間接照明の下では木目がより美しく映えるので空間演出にも採用されます。

また、濃い色合いは部屋全体を引き締める効果があり、明るい床材と組み合わせることでメリハリのある洗練された空間を作り出します。

魅力2:「世界三大銘木」の称号。高い耐久性と加工のしやすさ 

ウォールナットは、チーク・マホガニーと並ぶ世界三大銘木のひとつとして世界中から高い評価を得ています。木質が硬く強度が高いため長期間の使用にも耐えうる高い耐久性をもつことがこの称号を得た理由です。

加えて狂いが少なく加工性に優れているため、精度を要する以下の家具製作にも適しています。

  • テーブル脚
  • 抽斗など

耐久性とデザイン性を両立できる木材は限られているので、ウォールナットは数少ない選択肢の一つです。

購入後も反りや割れが起きにくいので、世代を超えて受け継ぐ家具としての価値も持ち続けます。

魅力3:使い込むほどに味わいが増す「経年変化」も楽しみの一つ

ウォールナットは、時間とともに表情を変える経年変化を楽しめます。購入直後は紫がかった濃いこげ茶色ですが、年月が経つと次第に明るくやわらかな茶色へと変化していきます。

手でよく触れる部分ほど艶が増し滑らかさが生まれるため、家具を育てられることも魅力です。

経年変化は、天然木ならではのもので、人工素材では再現できない温かみを感じられます。日光や照明による紫外線、空気との触れ合いにより少しずつ色が変わる様子は、家具とともに人生を過ごすことができます。

オイルメンテナンスを継続すれば、より深みのある風合いを長く保てます。使うほどに愛着の深まる経年変化が、ウォールナット家具を選ぶ理由の一つです。

ウォールナット家具は「無垢材」と「突板」どちらを選ぶべき? 

ウォールナット家具を選ぶ際、最初に直面するのが無垢材と突板の選択です。どちらも木本来の美しさを味わえますが、価格・質感・耐久性・メンテナンス性に明確な違いがあります。

ここで解説する特徴を理解し、あなたのライフスタイルに合った選択をしましょう。

「無垢材」のメリット・デメリット

「無垢材」のメリット・デメリット

無垢材は丸太から削り出した100%天然木です。天然素材ならではの温かみと本格的な経年変化を楽しめる一方で、湿度や温度による変形リスクや定期的なメンテナンスが必要になります。

以下に「無垢材」のメリットとデメリットをまとめました。

メリットデメリット
一枚ごとに異なる木目や色味を楽しめる湿度や温度で反り・割れ・収縮が起こりやすい
手触りが温かく調湿性がある重量があり移動や施工が難しい
傷がついても削って再塗装が可能価格が高くなる傾向
経年変化による艶や色味の深みを楽しめる定期的なメンテナンスが必要

価格は高めですが、傷がついても削って再塗装できるため世代を超えて長く愛用できます。本物の木を育てる喜びを感じたい方、手入れの時間を楽しめる方におすすめです。

「突板」のメリット・デメリット

「突板」のメリット・デメリット

突板は無垢材を薄くスライスして合板やMDFの上に貼る技術です。無垢と同様の外観を低コストで再現でき、基材が安定しているため反りや割れが起こりにくいです。

軽量で扱いやすく大型家具や扉にも適しており、木目のばらつきが少ないのでデザイン的にも統一感があります。

以下に「突板」のメリットとデメリットをまとめました。

メリットデメリット
無垢と同様の外観を低コストで再現できる深い傷やシミができた場合の研磨補修が難しい
反りや割れが起こりにくい基材がMDFなどの場合は水分や湿気に弱い
軽量で扱いやすく大型家具や扉にもおすすめ経年変化は楽しめるが無垢ほど変化はしない
木目のばらつきが少なくデザインに統一感がある

表面が薄いため深い傷の補修は困難ですが、メンテナンスの手間が少なく日常使いに向いています。

コストを抑えつつウォールナットの美しさを楽しみたい方におすすめです。

価格、重さ、質感、メンテナンス性の比較

以下に無垢材と突板の違いをまとめました。

項目無垢材突板
価格高価
(素材が希少かつ加工コストが高い)
比較的安価
重さ重い
(ウォールナットは特に比重が高い)
軽量で扱いやすい
質感ぬくもり・木肌感が強く高級感がある均一で滑らか、デザイン性が安定
耐久性長く使えるが湿度管理必須変形・反りに強く安定
メンテナンス性オイル再塗装など定期的なケアが必要基本的に不要だが深い傷は補修困難

あなたの予算やライフスタイル、家具に求める価値観に合わせて選択することが、長く満足できる家具選びの鍵です。

見た目と手触りが変わる「オイル仕上げ」と「ウレタン仕上げ」の違い 

ウォールナット家具を選ぶ際に忘れてならないのが仕上げ方法です。代表的なオイル仕上げとウレタン仕上げは、木の質感やメンテナンス性を左右します。

ここでは、「オイル仕上げ」と「ウレタン仕上げ」の違いを解説しますので参考にしてみてください。

オイル仕上げ:木の質感をダイレクトに楽しむ

オイル仕上げ:木の質感をダイレクトに楽しむ

オイル仕上げは、植物性または天然オイルを木材の表面に塗布して木の内部に浸透させる仕上げです。木の呼吸を妨げず、自然な手触りやぬくもりを最大限に感じられます。

木の手触りをそのまま感じられるサラサラとした質感が特徴で、木が呼吸し続けるため湿度による調湿効果があります。経年変化により色や艶が深まり、美しいエイジングを楽しめる点も魅力です。

傷や汚れがついてもサンドペーパーで削ってオイルを再塗布すれば修復ができ、自然素材でできているため人体に優しく小さな子どもがいる家庭にもおすすめです。

一方で水や熱に弱く水シミができやすいため、定期的にオイルを塗り直す必要があります。

木の風合いや経年変化を楽しみ、自分でお手入れしながら育てる家具として長く愛用したい方におすすめです。

ウレタン仕上げ:傷や汚れに強く、メンテナンスが容易

ウレタン仕上げ:傷や汚れに強く、メンテナンスが容易

ウレタン仕上げは、木材表面に薄い樹脂膜を作りコーティングする仕上げです。木の内部に水や汚れが染み込むのを防ぎ、日常使いに適した高耐久な仕上げとして広く採用されています。水・汚れ・熱に強く、メンテナンスがほぼ不要な点が最大のメリットです。

また、反りや割れを防止し安定した状態を長期間維持できるため、小さな子どもがいる家庭やダイニングテーブルなどの日常的に使う家具にも向いています。

一方で木が呼吸できないため、質感がやや人工的に感じられる点があります。塗膜に傷がつくと目立ちやすく、自宅では補修ができません。

メンテナンスに時間をかけず、きれいな状態を長く保ちたい方におすすめの仕上げ方法です。

【種類別】ウォールナット家具を選ぶ際のチェックポイント 

ウォールナット家具は部屋を落ち着いた雰囲気にまとめる素材です。しかし家具の種類により選び方のコツや注意点は異なります。ここではダイニングテーブル・テレビボード・収納家具の3種類に分けて、ウォールナットの魅力を活かすためのチェックポイントを解説します。

ダイニングテーブル:サイズと脚のデザイン、椅子の組み合わせ 

ダイニングテーブル:サイズと脚のデザイン、椅子の組み合わせ 

ウォールナットのダイニングテーブルは、重厚な色合いと高級感で空間を上品に引き締めます。テーブルの長さは150cm前後で4人家族が快適に使えるサイズ感です。

脚の位置は四隅・T字・V字などがあり、着席のしやすさとデザイン性を両方考えるとよいでしょう。

椅子はウォールナットの深い色と対照的な明るいオークやファブリック素材を組み合わせると空間が重くなりすぎずメリハリが作れます。

テレビボード:収納量と配線のしやすさ、圧迫感のないデザイン 

テレビボード:収納量と配線のしやすさ、圧迫感のないデザイン

ウォールナット製のテレビボードは、リビングの雰囲気を格上げする存在です。配線をすっきり見せるために、配線穴付きと内部にコンセントが設置できるモデルを選ぶと便利です。

テレビの中心が目線の30cmから50cm下にくる高さを選ぶと、長時間視聴しても疲れにくくなります。圧迫感を避けたい場合は、フロート(壁掛け)タイプやロータイプを検討するのもおすすめです。

収納力と配線性・高さを意識することで、使いやすく美しいリビング空間を実現できます。

収納家具(チェスト・キャビネット):見せる収納か隠す収納か

収納家具(チェスト・キャビネット):見せる収納か隠す収納か

ウォールナットの収納家具は、深みのある木目がリビングを上品に整えます。見せる収納を重視するなら、ガラス扉やオープン棚付きのキャビネットを選び雑貨や書籍をディスプレイしましょう。

隠す収納を重視するなら、木扉や引き出しタイプのチェストを選ぶと生活感のあるアイテムをすっきり整理できます。

ウォールナットはオークよりも色が濃いため、照明や壁の色とのバランスを考慮して選ぶとより洗練された印象に仕上がります。用途に合わせた選択が空間の印象を大きく変えます。

ウォールナット家具を美しく長く愛用するためのお手入れ方法 

ウォールナット家具は、深みのある色合いとしっとりとした手触りが魅力です。美しさを保つには日常の手入れと定期メンテナンスが欠かせません。

ここでは、ウォールナット家具を美しく長く愛用するためのお手入れ方法を解説します。

普段のお手入れ(乾拭きと水拭きの注意点) 

ウォールナット家具の日常的なお手入れは、基本的に乾拭き中心で行います。湿気や濡れすぎは木材の反りやシミの原因になるため注意が必要です。

綿100%などの柔らかい布で表面のホコリを優しく拭き取り、掃除機などの硬いノズルで木面をこするのは厳禁です。

オイル仕上げの場合、静電気防止クロスを使うとホコリがつきにくくなります。水拭きする場合は必ず固く絞った布を使い、拭いたあとは乾いた布ですぐに拭き取り水分を残さないようにします。色の濃い液体は放置せず、すぐに拭き取ることが重要です。

ウレタン仕上げは撥水効果があるため軽い水拭きもできますが、オイル仕上げはシミになりやすいため頻繁な水拭きは避けましょう。

気になる傷や汚れがついた時の対処法

日常使用でどうしても避けられない細かな傷やシミも、ウォールナットなら自分で修復可能です。

オイル仕上げの場合は、220番から240番程度のサンドペーパーで木目に沿って軽く研磨します。研磨後、植物性オイルをウエスで薄く塗布し、10分ほど置いたら乾拭きして仕上げます。塗布後は半日から一晩程度乾燥させ、完全に乾いたらもう一度乾拭きを行いましょう。

深めの打ち傷は180番から220番のサンドペーパーで削り、オイルを塗布します。汚れがひどい場合は中性洗剤を薄めた水を布に含ませて拭き取り、その後乾拭きします。

オイルを塗布したウエスは自然発火の危険があるため、必ず水を含ませてから廃棄してください。

まとめ

ウォールナット家具は、深い色合いと美しい木目、高い耐久性を持つ世界三大銘木の一つです。無垢材と突板、オイル仕上げとウレタン仕上げには異なる特徴があり、価格や手入れの手間にも差があります。

しかし適切な選択と定期的なメンテナンスにより、これらの課題は解決できます。あなたのライフスタイルに合った選択をすることこそが、ウォールナット家具の魅力を最大限に活かした空間を作りだしてくれるでしょう。をより深く知ることができるでしょう。

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