オーダーメイドの建具制作の流れと業者選びのポイントを木工のプロが解説

「ドアのサイズが合わない」「デザインが好みに合わない」など、建具に関する悩みを抱えている方も多いでしょう。

ドアや窓などの建具は、建物の見栄えを左右する重要な要素であり、さらに日常的に頻繁に使用するため、スムーズな開閉も欠かせません。機能性もデザイン性にもこだわりたいなら、オーダーメイドの建具制作がおすすめです。

本記事では、オーダーメイド建具のメリットをはじめ、制作から施工までの過程や、業者選びのポイントについて、旭川家具に精通する木工のプロ「旭川木工センター」が詳しく解説します。

建具制作のメリットと役割

画像引用:太陽工業有限会社

建具制作の最大のメリットは、サイズ・材質・デザインなどを細かく指定できる点です。

例えば、部屋の間取りや壁の寸法は建物ごとに異なるため、既製品では微妙なズレが生じる場合があります。一方、オーダーメイドの建具なら寸法を自由に指定できるので、隙間のないスッキリとした見た目に仕上がります。

材質を選べるのもオーダーメイドの建具の魅力です。木製、アルミやスチール製、ガラス製、樹脂製など、好みや使用環境に合わせて選べます。

塗装の色や質感、取っ手の形状、開閉の構造なども自由にカスタマイズできるため、使いやすさや機能性も大きく向上します。

なお、建具は玄関ドアや室内ドア、窓、クローゼットの扉など種類が豊富で、さまざまな役割を担っています。そのため、サイズが合わない建具では本来の役割を十分に果たせません。

【建具の主な役割】
  • 空間の仕切り
  • 人や物の出入り口
  • プライバシーの向上
  • 遮光・遮熱性
  • 防犯対策 など

しかし、オーダー建具なら設置場所の寸法に合わせて制作されるため狂いがなく、既製品よりも耐久性に優れているのが一般的です。

制作〜施工までのステップ解説

ここからは、建具制作の流れを各ステップごとに解説します。依頼を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

材料選定と設計

オーダーメイド建具の制作では、まず材料選定と設計から始まります。建具に使われる主な材料は「木製」「鉄製(アルミ・スチール)」「ガラス製」「樹脂(プラスチック)」の4種類です。

それぞれ特徴やメリットが異なるため、希望のデザイン、設置場所や用途に応じて最適なものを選びましょう。

木製

木本来のぬくもり、優しい風合いが感じられるのが特徴です。断熱性に優れ、天然の調質効果が期待できるため、快適に過ごせます。同じ種類の木でも木目は一つひとつ異なり、経年変化により徐々に色味が深まるため、一点ものの建具に仕上がります。

鉄製(アルミ・スチール)

非常に頑丈で、外部からの衝撃に強く変形しにくいのが特徴です。劣化しにくく耐用年数が長いため、玄関ドアや勝手口のドアなど、防犯性が求められる場所の建具に適しています。

ガラス製

光を通しやすい素材で、透明・半透明・すりガラス・カラーガラスなど種類が豊富なのが特徴です。室内が明るく開放的に仕上がるほか、ほこりや汚れをふき取りやすい点がメリットです。

樹脂製(プラスチック)

樹脂製とはいわゆるプラスチックのことで、断熱性能が高く結露を抑えやすいのが特徴です。主に、窓のサッシ、浴室やトイレなど湿気の多い場所によく使われています。

また、用途や設置スペースを考慮したうえで、建具の仕様やサイズを決めます。

  • 引き戸…省スペースに設置できる仕様で、動線を妨げにくいのが特徴です。
  • 開き戸…密閉性が高く、外の音やにおいを遮断しやすいのが特徴です。
  • 折れ戸…広い開口を確保しつつスペースを取らないのが特徴で、クローゼットなどによく用いられます。

業者との打ち合わせの際は、どの場所で、どのような用途で使うかをヒアリングされます。例えば、子供や高齢者がいる家庭なら開け閉めしやすいよう、スムーズな開閉動作が求められます。

業者から最適な提案を受けるためにも、自分の要望を明確にしておくと失敗を防げるでしょう。

加工・組立・調整(現場調整を含む)

ヒアリングをもとにデザインや設計が決まった後は、建具の加工・組み立てに進みます。オーダー建具は、職人がひとつひとつ丁寧に作業を進めるため、納期に時間がかかる場合が多いです。

建具が完成した後、現場に搬入し取り付けを行います。蝶番の取り付け位置、レールの高さ、扉の閉まり具合などを調整します。

施工時のチェックポイント

建具の取り付けが完了した後、以下のポイントに沿って建て付けをチェックしましょう。

ゆがみをチェック

扉やドアを1〜2cmほど開けて、上部と下部のすき間の幅が同じかを確認しましょう。次に、完全に閉めた状態ですき間がないかをチェックします。

動作確認

扉やドアを開け閉めし、開閉はスムーズか、擦れるような音はしないかを確認しましょう。

ぐらつき・ガタつきをチェック

建具の上部と下部を手で押して、ぐらつかないか、ガタつきはないかを確認しましょう。

その他、正常に開錠・施錠はできるか、ドアノブはしっかり取り付けられているかも確認すべきポイントです。

建具制作の業者の選び方と比較ポイント

画像引用:太陽工業有限会社

建具制作を依頼する業者を選ぶ際は、以下のポイントで比較するのがおすすめです。

  • 制作実績は豊富か
  • 見積もりは詳細で丁寧か
  • 素材・デザインのバリエーションは豊富か
  • 納期・搬入方法
  • アフターフォローの充実度

まずは、口コミの評判や公式サイトに掲載されている施工事例をチェックし、実績がしっかりある業者かどうかを確認しましょう。建具は、職人の技術によって見た目や使い勝手が大きく変わるため、熟練の職人が在籍しているかどうかも大切なポイントです。

見積もりは、できれば複数の業者から取り寄せて比較検討するのがおすすめです。予算が決まっている場合は、その範囲内で素材やデザインを柔軟に提案してくれる業者を選びましょう。

また、見積書の内容が細かく明示されており、費用の透明性が高いかどうかも安心材料になります。

業者によって取り扱う素材は異なります。木材やアルミ、プラスチックなど、希望する素材で制作できるかどうか、あらかじめ確認しておくと安心です。

さらに、搬入や設置方法も事前にチェックしておきたいポイントです。全国対応の業者の場合は、自分で取り付けたり、別の業者に依頼したりするケースもあります。

一方、地域密着型の業者なら、現場での取り付けまで一貫して対応してくれることが多く、よりスムーズに進められます。

まとめ

本記事では、オーダーメイドの建具の魅力、依頼した際の流れ、業者選びのチェックポイントまでわかりやすく解説しました。

オーダーメイドの建具は、空間や用途に合わせてサイズやデザインを細かく指定できるのが魅力です。見た目や機能性にもこだわった、自分だけの一点ものを実現できます。

依頼する際は、実績が豊富で信頼できる業者を選ぶことが重要です。理想の建具づくりのために、ぜひ本記事で紹介したポイントを参考にして、オーダーメイドの建具制作を検討してみてはいかがでしょうか。

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