こんにちは!旭川家具メーカーや木工プロ集団が集まる「旭川木工センター」です。今回は、「造作家具って何?」という基礎知識をテーマに取り上げます。
旭川木工センターの仲間にも、造作家具のプロ「ウッドパーツ」さんがいるのですが、一般の方からすると、造作家具の定義や特徴がフワッとしているかもしれません。
この記事にたどり着いたあなたは、造作家具にちょっと興味が出てきているのかも? ということで、記事の終盤には、よい業者を見分けるポイントについても書いていますので、ぜひ最後までお付き合いくださいね。
造作家具の定義・特徴
わかりやすくいうと、造作家具(ぞうさくかぐ)とは、自宅・店舗・オフィスのために設計したオーダーメイド家具のことです。「特注家具」「作り付け家具」とも呼ばれます。
普通の家具との違い
お店やECサイトで購入する“普通の家具”、すなわち既製品タイプの家具を「置き家具」と呼びます。造作家具との違いは主に2点です。
- 置き家具はすでにデザイン・色味・材質が決まっているため、選択肢が狭い
- 置き家具に合わせてインテリアを考える必要がある
- 造作家具に比べるとコストは安い
ただし置き家具のなかでも、メーカーが直接販売している場合は、脚の長さを調整したり、棚の幅を変えたりする依頼に応じてくれることもあります。たとえば旭川木工センターの仲間である「WOW」さんは、指定の家具であればカスタムしてくれます。
造作家具の施工例
- 一般住宅
- 公共施設
- 商業施設
- 教育施設
- 医療・福祉施設
- 店舗
- ホテル
- オフィス
造作家具の種類
- カウンター
- テーブル
- テレビボード
- 壁面収納
- 洗面台
- キッチン
- 店舗什器
ちなみに一般住宅では、造作家具の依頼で人気が高いのは「キッチン」と「玄関」だといわれています。動線が多い場所は、やはりデザインや機能を追求したいというニーズが生まれるのでしょう。
造作家具を取り入れるメリット
①理想の空間をつくれる
置き家具でインテリアをコーディネートする場合、少なからず「家具のカタチに理想のコーディネートを近づける」という状況が生まれてしまいます。
しかしミリ単位でオーダーできる造作家具なら、「理想のコーディネートに家具を合わせる」ことが実質的に可能となります。この差は非常に大きいといえるでしょう。
②デッドスペースを有効活用できる
既製品の家具でインテリアをコーディネートをすると、どうしても空間を有効活用しきれない場面が生じます。カタチやサイズがあらかじめ決まっているため、“帯に短したすきに長し”といった歯がゆさを感じることも。
しかし造作家具なら、「空間に家具を合わせる」ことも容易です。「せっかく天井が高くて大きな壁面があるのに、既製品の壁面収納ではスペースが空いてしまう……」といったときも、造作家具で解決できるかもしれません。
③耐震性も期待できる
壁に埋め込んだり、直接固定したりできる造作家具なら、大きい本棚でも耐震性は抜群です。耐震テープやストッパーでは、やはり心許ないですよね。大型家具を取り入れたい方には、部分的でも造作家具を検討することをおすすめします。
④家具を自分で集める労力がかからない
家具を選ぶのは、とても楽しいことですが、なかなか大変なことでもあります。新居にどんな家具を置こうかとイメージを膨らませながら選ぶ……ワクワクしますが、「サイズが合わなかったらどうしよう」「イメージと違ったらどうしよう」「どれも良さそうに見えて、けっきょく決断できない」など、置き家具を選ぶことは、意外にストレスがかかることも多いのです。
しかし造作家具なら、担当者と綿密な打合せを行い、完成イメージも確認できるため、「サイズが合わなかったらどうしよう」「イメージと違ったらどうしよう」という懸念を一挙に払拭できます。これらのストレス要素を回避することで、家具選びの満足感を非常に高められますよ。
造作家具の注意点
①引っ越しのときに大変
いまある空間に合わせてフルオーダーカスタマイズするのが造作家具の最大の強みですから、それゆえに、引っ越しの際は注意が必要です。置き家具のように、簡単に分解・持ち運びはできませんし、引っ越し先の間取りに合うかどうかも、事前確認が必須となります。
②間取りを変更できない
多くの場合、造作家具は壁に直接固定するため、間取りをそう簡単には変えることができません。とくに注意したいのが、お子さんがいる場合です。ライフステージに合わせて間取りや動線が変化することを想定したうえで、造作家具の設計をイメージする必要があるでしょう。
造作家具の主な依頼先
- ハウスメーカー
- 設計事務所
- 工務店
造作家具の業者の選び方のポイント
- 最新の木工機械を有している
- 熟練の職人がいる
- 一般住宅だけでなく法人案件の納品実績がある
- 全国受注に対応できる
- 見積からアフターフォローまで一気通貫で対応している
上記にあげた条件は、要約すると「業者の技術力と信頼性を確かめる要素」と言い換えることができます。
最新加工技術を有している
たとえば、5軸CNCマシンなどの、数億円規模の設備が揃っているということは、事業としてしっかり利益が出ている証拠です。そうでなければ設備投資ができません。
熟練の職人がいる
造作家具はフルオーダーの特注案件です。依頼一つひとつが、新しいチャレンジであり、自分で正解を見つけなければなりません。熟練の職人がいるということは、施主の要望に、柔軟に対応できるアイデア力と経験があるという証拠です。
一般住宅だけでなく法人案件の納品実績がある
BtoB案件を手がけた実績は、社会的な信頼の何よりの証ですし、それだけ幅広い提案力と技術力に長けていると考えることができます。
全国受注に対応でき、見積からアフターフォローまで一気通貫で対応している
「全国対応できる」「見積からアフターフォローまでワンストップ」ということは、組織の規模が大きく、連携力があることを意味します。納期の安定感にも直結しますので、業者を選ぶ基準として大きなポイントとなるでしょう。
ちなみに旭川木工センターの仲間「ウッドパーツ」さんは、一般住宅から大型テーマパークまで幅広い造作家具の施工を行っています。北は北海道から南は沖縄まで、全国対応してくれる超パワフルな職人集団です。気になった方は、ぜひご相談してみてはいかがでしょうか!
造作家具の依頼の流れ
- 問い合わせ・相談
- 大まかなデザインの作成・見積
- 設計・製造
- 配送・施工
- アフターフォロー
造作家具の費用
費用は依頼内容や業者さんによってさまざまですので、具体的に「●●万円~」と提示するのは難しいですが、造作家具一種につき、数十万円からの費用を想定したほうがよいかもしれません。
まとめ
造作家具(ぞうさくかぐ)とは、自宅・店舗・オフィスのために設計したオーダーメイド家具
- 理想の空間をつくれる
- デッドスペースを有効活用できる
- 耐震性も期待できる
- 家具を自分で集める労力がかからない
- 引っ越しのときに大変
- 間取りを変更できない /ol>
- 最新加工技術を有している
- 熟練の職人がいる
- 一般住宅だけでなく法人案件の納品実績がある
- 全国受注に対応できる
- 見積からアフターフォローまで一気通貫で対応している