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木工教科書

2024年02月05日(月)

プレス機とは|原理・種類・加工できる素材・利点を紹介。

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プレス機とは|原理・種類・加工できる素材・利点を紹介。
ウッドパーツのプレス機

こんにちは!旭川家具メーカーや木工プロ集団が集まる「旭川木工センター」です。

今回のテーマは「プレス機」。

プレス機は、電子機器の部品、医療機器、ロボット製作、家具製作など、あらゆる製造に使用される機械です。資源を節約しエネルギーを効率的に使用できるため、「地球環境に配慮した加工手法」として注目を集めています。

木工では、材料をプレスする際に使用し、合板や引き出しなど箱物の家具などを組むときに活躍しています。

それでは、このように幅広く活用される「プレス機」とは一体どんなものなのか?

プレス機の基本的な原理から、加工できる素材、メリット・デメリットまで詳しく解説していきます。

プレス機の原理

プレス機で用いられる「プレス加工」とは、素材に一定以上の力をかけることで変形が元に戻らない「塑性」と呼ばれる性質を利用した加工方法です。「塑性加工」とも呼ばれます。

たとえば、金属板を人間の手で軽く曲げても、形状はすぐ元に戻すことができます。しかしもっと強い力をかけて90度以上に曲げるとどうでしょう。今度は元に戻そうとしても叶わず、形状は変わったままです。このような永久的な変形を「塑性」と呼び、逆に元に戻る性質は「弾性」と言います。

プレス機は、対象物に対し上下から圧力をかけるものです。強力な圧力がかかると、弾性と塑性の間の降伏点を越え、最終的には永久的に変形したままになります。このような過程が、プレス加工の基本的な原理です。

動力源の種類

プレス機は大きく2種類に分かれます。機械的な駆動機構による「機械プレス」と、荷重の発生機構により主に水や油を使用する「液圧プレス」です。

液圧プレスは比較的長いストロークや加圧力、加工速度の調整が簡単で、さらに過負荷が生じないなどの特徴があり、汎用性があると言えるでしょう。

それに対し機械プレスは、液圧プレスよりも生産性が高く保守も容易であり、大量生産を必要とするプレス加工に多く使用されています。

機械プレス液圧プレス
生産速度速い遅い
ストローク長さあまり長くできない比較的楽に、長くできる
ストローク長さの調整一般的に困難極めて容易に行える
最大加圧の大きさ50~80,000kNまで200,000kNほどまである
ストローク終端位置の決定一般的機種は正確一般的には決まらない
加圧力の調整行いがたい容易にできる
加圧力の保持できない容易にできる
プレスの過負担生じる生じない
保守関係液圧プレスより容易手間がかかる
一般社団法人 日本金属プレス工業協会

①機械プレス

機械式の機構によって駆動するプレス機械の総称が「機械プレス」です。

電動モータによる回転運動を、スライドの直線運動やその他の運動に変換し、プレス加工を行います。往復スピードが速く、繰り返しの動作が可能です。

メリット
  • 往復動作のスピードが速い
  • 繰り返し動作が可能
  • 大量生産の工程に向いている
デメリット

構造上の理由から任意の位置で荷重をかけることができない

②液圧プレス

液圧プレスには「水圧式」と「油圧式」の2種類があります。ポンプで送り込んだ水を使うのが「水圧式」、油の圧力を利用するのが「油圧式」のプレス機械です。

油圧式はプレス機のなかでもスタンダードなものです。長いストロークにも柔軟に対応できるため、さまざまな工程で非常に便利に使われ、多くの生産現場で広く採用されています。

メリット
  • 比較的安価で導入可能
  • 加圧力と動作パターンを調整できる
デメリット
  • 液漏れのリスクがある
  • 動作スピードが遅い
  • 加工時の荷重が分かりにくい

プレス機が加工できる素材

プレス加工でよく用いられる素材は以下の通りです。

  • ステンレス鋼
  • アルミニウム
  • チタン など

プレス加工では、上記に挙げたような変形性に優れている素材が加工しやすく、金属が主な種類となります。

ガラスなど壊れやすいものや塑性がない素材は、プレス機での加工はできません。また板厚が薄すぎたり、サイズが大きすぎたりといった、プレス機械に収まらないものも対象外となります。

プレス機のメリット・デメリット

プレス加工にはメリットとデメリットがあります。製品の種類や、部品の形状、数によって適切な加工方法を選択しましょう。以下のメリット・デメリットを参考にしてくださいね。

メリット
  • 大量生産に向いている
  • 一定の品質を保てるので品質管理しやすい
  • 複雑な形状への加工が可能
  • 作業者のスキルによって品質が変わらない

一番のメリットは、短時間で一定の品質を大量生産できるところです。少ない種類の製品や、部品を大量生産するときには、プレス加工が適していると言えるでしょう。

その一方で、下記のデメリットもあります。

デメリット
  • 金型製作の費用がかかる
  • 厚すぎる部材はプレス加工できない
  • プレス機の導入が必要

プレス加工による製品の品質は、金型に大きく左右されます。そのため品質の高い金型が必要となり、作るには多くの時間と費用がかかります。またプレス機の導入も費用がかかり、設置する環境も整えなくてはなりません。小ロット生産や試作品を製造する際にプレス加工を選択してしまうと、損失となる恐れがあるのでご注意ください。

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