家の中でも、足で触れることの多い床は、住空間の雰囲気を大きく左右する重要な要素です。
無垢フローリングは、化学物質を含まない自然な素材で、温かみのある肌触りと美しい木目を楽しむことができます。
しかし、無垢フローリングには様々な種類があり、それぞれ異なる特徴を持っています。
この記事では、代表的な無垢フローリングの種類と特徴を紹介し、理想の空間を手に入れるためのヒントをご紹介します。
①オーク:人気樹種の魅力と特徴
オークは、ナチュラルブラウンの色合いと美しい木目、そして硬く丈夫な性質で、世界中で愛される人気の樹種です。
建材としても広く用いられ、特に日本ではロシアオークが長年親しまれてきました。近年、ロシアオークの伐採規制により入手が難しくなったことから、ヨーロッパ産のオークの輸入量が増えています。
オークの特徴
【美しい木目と色合い】
オークは、淡い褐色から深い茶褐色まで、幅広い色合いの木目を持っています。
特に、柾目(まさめ)と呼ばれる縦方向の木目は、虎斑(とらふ)と呼ばれる独特の模様が現れることがあり、高級感漂う仕上がりになります。
【硬く丈夫な性質】
オークは、ブナ科の中でも特に硬く丈夫な木材として知られています。そのため、家具、フローリング、楽器、船舶など、様々な用途に用いられています。
【耐久性】
オークは、水や湿気に強く、腐りにくい性質を持っています。そのため、屋外で使用される場合でも、長持ちします。
【経年変化】
オークは、経年変化によって色が深くなり、味わい深い表情に変化していきます。
オークの種類
オークは、世界中に約200種類存在し、代表的な種類としては、以下のようなものがあります。
コナラ | 日本で最もポピュラーなオークで、家具やフローリングなどに広く用いられています。 |
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ロシアオーク | 堅く重厚な性質で、高級家具や楽器などに用いられます。 |
ホワイトオーク | 明るい色合いで、水に強い性質を持っています。そのため、船舶や樽などに用いられます。 |
レッドオーク | 赤みがかった色合いで、家具やフローリングなどに用いられます。 |
オークのお手入れ
オークは、比較的お手入れが簡単な木材です。
普段のお手入れは、乾拭きで埃を払うだけで十分です。汚れが気になる場合は、水で薄めた中性洗剤で拭き掃除をしてください。
ただし、水濡れには注意が必要です。長時間の水濡れは、木材の変形や反りを引き起こす可能性があります。
オークの豆知識
オークは、古代ギリシャやローマ神話では、神聖な木として崇拝されていました。オーク材は、かつては船舶や火薬の材料としても使用されていました。ロンドン郊外のエプソム競馬場で行われる「オークス」競走は、その名の通りオークの木に由来しています。
②タモ:北欧スタイルに映える、美しい木目と機能性を兼ね備えた床材
タモは、北欧スタイルで人気の高いフローリング材の一つです。白っぽい木肌と、はっきりとした木目が特徴で、別名「バーチ」とも呼ばれています。
タモの特徴
【美しい木目と滑らかな手触り】
ナラと似た色合いを持ちながらも、虎斑のないはっきりとした木目と、滑らかな手触りが特徴です。オイルステンで仕上げると、濡れ色になり、より一層木目が強調されます。
【硬く丈夫な素材】
家具や野球のバットなどにも使用されるほど、硬く丈夫な素材です。そのため、フローリング材としても耐久性に優れています。
【北欧スタイルに最適】
白っぽい木肌と、はっきりとした木目は、北欧スタイルのインテリアにぴったりです。ナチュラルな空間を演出したい方におすすめです。
タモフローリングのお手入れ
- 浸透性塗料: 木の内部に染み込む塗料です。定期的なオイルメンテナンスが必要です。
- コーティング系塗料: 木の表面に膜を張る塗料です。水拭きが可能ですが、定期的なメンテナンスが必要です。
- 無塗装: 木そのものを味わえる仕上げ方法です。水に弱いため、無塗装のままの使用はおすすめできません。
タモフローリングの注意点
タモは水に強い木材ですが、まれに水や汗に反応して表面が変色することがあります。無塗装のまま使用すると、変色しやすいので注意が必要です。また、水拭きも変色の原因となるため、基本的には乾拭きでのお手入れがおすすめです。
変色を防ぐためには、ワックスやオスモ塗料などの表面材を使用し、水分を最小限に抑えることが重要です。
③アメリカンウォールナット:深みのある美しさと高級感を生み出す銘木
アメリカンウォールナットは、クルミ科の落葉広葉樹に属し、主にアメリカ北東部からカナダにかけて分布しています。チーク、マホガニーと並び、世界三大銘木のひとつに数えられる高級材です。
木材の色は黒に近いこげ茶色で、深みのある美しさが特徴です。原木の樹皮も濃い黒色であることから、アメリカンブラックウォールナットとも呼ばれています。
フローリング材としては、繊細な木目と深いこげ茶色が特徴で、高級感を演出します。表面は若干硬めの部類に入り、傷にも強いというメリットがあります。
アメリカンブラックウォールナットの特徴
【耐衝撃性】
衝撃に強く、傷や打痕にも強いという特徴があります。
【美しい木肌】
繊細な木目と深いこげ茶色が特徴で、高級感を演出します。
【狂いが少ない】
湿気や温度変化の影響を受けにくく、反りや割れなどの変形が少ないという特徴があります。 加工性・接着性: 加工性と接着性に優れており、家具や工芸品などの製作に適しています。
アメリカンブラックウォールナットのお手入れ
- 浸透性塗料: 木の内部に染み込む塗料です。定期的なオイルメンテナンスが必要です。
- コーティング系塗料: 木の表面に膜を張る塗料です。水拭きが可能ですが、定期的なメンテナンスが必要です。
- 無塗装: 木そのものを味わえる仕上げ方法です。水に弱いため、無塗装のままの使用はおすすめできません。
アメリカンブラックウォールナットの豆知識
古代ローマの博物学者プリニウスは、クルミの木の周囲に大きな木が育ちにくいという現象に注目し、研究しました。現代科学では、これは「アレロパシー」と呼ばれる、化学物質を放出して他の生物に影響を与える作用によることがわかっています。
クルミの果皮にはユグロンという物質が含まれており、これが地面に落ちると他の植物の成長を抑制するのです。これはクルミ属共通の物質で、日本でもオニグルミの樹冠下には他の木が生えていない様子を見ることができます。
厳しい環境で自生するためには、木も様々な進化や方法を見いだしていく必要があり、アメリカンブラックウォールナットはその生命力と強さを象徴していると言えるでしょう。
④カバ桜(サクラ・バーチ):明るい空間を演出する、上質な無垢フローリング
カバ桜(サクラ・バーチ)は、桜系の床材の中でも特に人気の高い無垢フローリングです。白系のフローリングとしては代表格と言える存在で、加工性の高さから、床材として非常に扱いやすい素材として知られています。
材の性質は、乾燥作業を行うことで従来の軟質な特性を変化させることができ、フローリングなどの建材や北欧系の家具材として多く利用されています。
カバ桜の特徴
【明るい空間を演出】
カバ桜は、木肌が明るく爽やかなため、室内を明るく開放的な印象に演出します。清潔感や爽快感を与える効果があり、北欧スタイルのインテリアにも最適です。
【温かみのある肌触り】
程よい硬さ(柔らかさ)で、裸足で踏みしめた時に温かみを感じられます。無垢材ならではの自然な肌触りを足の裏全面で感じる事が出来る、非常に優れたフローリングです。
【加工性の高さ】
床材として使用される樹種の中でも、非常に扱いやすい素材です。そのため、様々な形状やデザインのフローリングを製作することができます。
【経年変化による味わい】
経年変化によって、徐々に深みのある色合いに変化していきます。使い込むほどに味わい深くなる、長く愛着を持って使用できるフローリングです。
⑤メープル:美しい見た目と優れた性能を兼ね備えた床材
メープルフローリングは、美しい色合いだけでなく、優れた堅さと弾力性、さらりとした絹のような足触りを兼ね備えています。これらの特性は、居心地の良い住まい作りに最適です。
メープル材の特徴
【クリーミーで清潔感のある色合い】
メープル材は、クリーミーでとても清潔感のある白っぽい色合いをしています。部屋を明るく見せ、清潔感のある印象を与えます。
【高い強度】
細胞と細胞の間に小さな穴がたくさんあるため、強度が高く、傷やへこみに強いという特徴があります。家具や楽器など、様々な用途に用いられています。
【滑らかな肌触り】
さらりとした絹のような肌触りで、裸足で歩くのも気持ちいいです。
【美しい木目】
特に、楽器としての利用では、表面に鳥目杢(とりめもく)や縮緬杢(ちりめんもく)など特別な木目をもつ材が人気です。美術品のような美しさを醸し出してくれます。
【多様な用途】
フローリング以外にも、家具、楽器、バット、玩具など、幅広い用途に使用されています。
メープルフローリングの種類について
近年では、従来の国産イタヤカエデや中国産のメープルに加え、ヨーロッパ産のヨーロピアンメープルと呼ばれるシカモアや北米産メープルが多く使われるようになっています。
- ヨーロピアンメープル: 柔らかく扱いやすいソフトメープルと、硬く頑丈なハードメープルに分かれています。
- ハードメープル: ボーリングレーンの床に使用されるほど硬く、高い強度を誇ります。
北海道産の無垢フローリングなら東邦木材。創業1955年の実績と伝統があります。
創業1955年の木材会社である東邦木材は、北海道産の質の高い木材と、長年の目利きで仕入れた輸入木材を使用して、無垢フローリングや複合フローリングの製造販売を行っています。
北海道内だけでなく全国からお問い合わせをいただき、多くの住宅や店舗へのフローリングの販売実績があります。
フローリングに関するご相談があれば、お気軽にお問い合わせください。
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まとめ
無垢フローリングは、種類によって様々な特徴を持っています。それぞれの特徴を理解し、自分のライフスタイルやインテリアに合ったものを選ぶことが重要です。
無垢フローリングは、お手入れに手間がかかるというデメリットもありますが、それ以上に多くのメリットがあります。自然素材の温かみを感じられる無垢フローリングで、居心地の良い空間を演出しましょう。