ウォールナットのダイニングテーブルを選ぶ5つのメリットと失敗しない選び方

「世界三大銘木」の一つとして数えられ、その重厚な色合いと美しい木目で多くの人を魅了するウォールナット。ダイニングテーブルは家族が集まる家の中心だからこそ、デザインだけでなく耐久性や将来的な資産価値も兼ね備えた、最高の一台を選びたいものです。

しかし、いざ購入しようとすると「無垢材と突板のどちらが良いのか」「傷は目立たないか」「明るい部屋に合うのか」といった疑問を感じる人も多いのではないでしょうか。

本記事では、ウォールナットがダイニングテーブルとして愛され続ける5つの理由を紐解きながら、後悔しないための具体的な選び方や、素材による特徴の違いについて解説します。一生モノの家具選びの参考にしてください。

ダイニングテーブルの素材にウォールナットを選ぶ5つのメリット

ダイニングテーブルの素材にウォールナットを選ぶ5つのメリット

画像参照:MUKU工房オリジナル プリモア ダイニングテーブル 

耐久性が高く壊れにくい

ウォールナットは広葉樹の中でも特に硬く、衝撃に強い素材であるため、ダイニングテーブルとして最適です。クルミ科の広葉樹であるウォールナットは、組織の密度が高く、「耐衝撃性」に優れているという特性があります。

毎日の食事で食器を置く、子供が宿題をする、あるいはリモートワークでPC作業を行うなど、ダイニングテーブルはタフに使いたいものです。柔らかい木材ではすぐに凹んでしまうような筆圧や食器の衝撃も、ウォールナットなら受け止めることができます。

長年の使用に耐えうる物理的な強度は、一生モノの家具を選ぶ上で最も重要な基盤となります。

色の経年変化を楽しみながら長く使える

ウォールナットの最大の特徴は、時を経るごとに明るくまろやかな茶色へと変化する「経年変化」の美しさにあります。

多くの木材は紫外線を受けると色が濃くなる傾向がありますが、ウォールナットは逆に、濃い焦げ茶色から赤味を帯びた明るい茶褐色へと変化します。これは木材に含まれるタンニン等が紫外線と反応するためです。

購入当初はシックで重厚な「チョコレート色」ですが、5年、10年と使い込むうちに、木目が際立つ「飴色」へと変化し、ヴィンテージのような風合いを醸し出します。

アンティーク家具として資産になる

ウォールナット製の良質な家具は、将来的にアンティーク家具として資産価値を持ち続ける可能性が高い素材です。

「世界三大銘木」の一つとして数えられるウォールナットは、歴史的にも17世紀後半から高級家具の代名詞とされてきました。

実際に、数十年前に作られた北欧デザインやミッドセンチュリー期のウォールナット家具は、現在でも高値で取引されています。大量生産・使い捨ての家具とは異なり、後世に受け継ぐことができる耐久性と普遍的な美しさを持っています。

単なる消費財ではなく、資産として家具を迎え入れたいと考える方にとって、ウォールナットはぴったりです。

高級感や落ち着きのある空間を演出できる

独自の深い色合いと美しい木目は、置くだけで空間全体を上質で落ち着いた雰囲気に格上げします。

ウォールナット特有の紫がかった暗褐色の心材は、他の木材を着色しても再現できない深みがあります。また、整った木目の中に時折現れる荒々しい模様は、天然木ならではのデザイン性を生み出します。

白い壁や明るい床のリビングダイニングに、濃い色のウォールナットテーブルを置くと、視覚的なコントラストが生まれます。

幅・形・脚デザインの選択肢が広い

ウォールナットは加工性に優れているため、デザインのバリエーションが豊富で、好みのスタイルが見つかりやすい素材でもあります。

硬い木材でありながら、蒸し曲げ加工への適性が高く、接着性も良好です。この粘りのある性質により、繊細なデザインや大胆な曲線の表現が可能となります。

例えば、シャープな天板に細い脚を組み合わせたモダンなデザインから、ろくろ脚のようなクラシックな装飾、あるいは丸テーブルのような曲線的な形状まで、様々なデザインのインテリアがあります。

ウォールナット材ダイニングテーブルの天板の無垢材と突板の違い

ウォールナット材ダイニングテーブルの天板の無垢材と突板の違い

「無垢材(むくざい)」と「突板(つきいた)」は、天板の構造そのものが異なり、それぞれに明確な特徴があります。

無垢材は、丸太から切り出した板そのものを繋ぎ合わせた「天然木100%」の状態です。一方、突板は、希少な木材を薄くスライスし、合板などの芯材の表面に貼り付けたものです。

  • 無垢材:木そのものの重厚感があり、傷がついても研磨して修復が可能です。断面を見ても同じ木目が続いています。
  • 突板:芯材が合板であるため、反りや狂いが出にくく軽量です。ただし、深い傷がつくと下の芯材が見えてしまうリスクがあります。

どちらが優れているかではなく、構造上の違いを理解した上で、ライフスタイルに合わせて選択することが重要です。

ウォールナット材のダイニングテーブルを選ぶ時に気をつけたいポイント

ウォールナット材のダイニングテーブルを選ぶ時に気をつけたいポイント

画像参照: MUKU工房オリジナル ムク ダイニング丸テーブル

一生モノな無垢材とコスパ重視の突板貼り

「長く使い込み、修復しながら愛用したい」なら無垢材、「反りを気にせず、コストパフォーマンスとデザイン性を重視したい」なら突板をおすすめします。

無垢材は調湿作用があり室内の環境によって伸縮・反りが生じる可能性がありますが、質感を最大限に楽しめます。突板は環境変化に強く、美しい木目を安価に取り入れられますが、再塗装などのメンテナンス性には限界があります。

傷も思い出と捉えるご家庭や、一生モノとして家具を使いたい場合は無垢材。一方で、空調による乾燥が激しいマンションや、予算を抑えつつ高級感を出したいコストパフォーマンス重視の人は突板を選ぶといいでしょう。

天板の厚み・脚のデザイン・仕上げ塗装

天板の厚みと塗装の種類は、見た目の印象と日々の使い勝手を大きく左右します。

厚みがあると重厚で高級な印象に、薄いと軽快でモダンな印象になります。また、塗装には「オイル仕上げ」と「ウレタン塗装」が主に用いられます。

  • オイル仕上げ:木の質感を感じられますが、水染みができやすいため定期的なオイル塗布が必要です。
  • ウレタン塗装:表面に塗膜を作るため、水拭きが可能でメンテナンスフリーです。

素材感を重視するならオイル仕上げがおすすめですが、手入れが難しい場合は、マットな質感のウレタン塗装を選ぶのが現実的です。

色味・トーンの選び方

同じウォールナットでも、産地や個体差、辺材の有無によって色味やトーンは大きく異なります。

ウォールナットには「白太(しらた)」と呼ばれる、樹皮に近い白い部分があります。これを含むとコントラストが強いワイルドな印象になり上品な印象になります。

高級家具では蒸気加工を施して色を均一に近づける処理を行うこともありますが、最近は白太をあえてデザインとして取り入れた「耳付きテーブル」も人気です。

ネットの画像だけで判断せず、可能な限り実物や板見本を確認し、部屋のフローリングや他の家具との相性を確認するのがおすすめです。

ウォールナット材のテーブル明るい部屋に合うのか

ウォールナット材のテーブル明るい部屋に合うのか

画像参照:MUKU工房オリジナル ムク ダイニング丸テーブル 

ウォールナット材のテーブルは、明るい部屋にこそ映えるインテリアです。

インテリアコーディネートにおいて「コントラスト」は空間を引き締める重要な要素。床や壁が明るい色(ホワイトオークやメープル、白壁)の場合、濃い色のテーブルを置くことで視線がフォーカスされ、空間にメリハリが生まれます。

北欧インテリアでは、白い壁とナチュラルな床に、濃い色のヴィンテージ家具を合わせるスタイルが定番です。明るい部屋に置くことで、ウォールナットの美しい木目が光に照らされてより際立ち、主役としての存在感を発揮します。

ラグや照明を工夫すれば部屋が暗くなることもなく、洗練されたモダンな空間を作り出せます。

ウォールナット材のテーブルは傷が目立つのか

ウォールナット材のテーブルは傷が目立つのか

ウォールナットのような濃色の木材に傷がつくと、内部の明るい木の色が露出するため、傷が白っぽく見えてしまいます。また、白っぽいホコリも背景が暗いため目立ちます

しかし、オイル仕上げの無垢材であれば、浅い傷は市販のメンテナンスオイルを塗り込むだけで目立たなくなります。深い傷はサンドペーパーで研磨しオイルを塗れば修復できることもあります。

傷が少し目立つことは事実ですが、手をかけることで愛着が湧くのもウォールナットテーブルの醍醐味です。

まとめ

ウォールナットのダイニングテーブルは、単なる食事をするための台ではなく、家族と過ごす時間を刻みながら資産としての価値も持ちうる家具です。

硬く耐久性に優れ、使い込むほどに「チョコレート色」から「飴色」へと美しく変化する様子は、ウォールナットならではの深い味わいと言えます。

選び方においては、傷を修復しながら一生モノとして育てたい方は「無垢材」を、コストパフォーマンスと機能性を重視する方は「突板」を選ぶなど、ライフスタイルに合わせた選択が重要です。

「部屋が暗くなる」「傷が目立つ」といった懸念点も、インテリアのコーディネートや適切なメンテナンス次第で十分に解消できます。ぜひ、ご自身の暮らしに合った理想のウォールナットテーブルを見つけてみてください。

木に関するお悩みは「旭川木工センター」にご相談ください!

旭川木工センター」は、家具・建具・クラフト・木材・木工機械のメーカーが集まったプロ集団のコミュニティです。

合板加工、建具、家具など、さまざまな木工職人が所属する11社の中から、お客様の「木」に関するお悩みやご要望に応じて適切なサービスをご紹介します。

  • カスタマイズしたい
  • 家具を製作・注文したい
  • 家具を修理したい
  • 木材を探している
  • 技術講師を頼みたい

こんなお悩みをお持ちの場合には、ぜひ「旭川木工センター」にご相談ください。

お問い合わせはこちら >

お問い合わせ

「木」に関するお悩みをお持ちの方は、
旭川木工センターまでご相談ください。
こちらは建具や家具の製造、木材加工など、
木工のプロフェッショナル企業11社が加盟する協同組合です。
お客様からのお問い合わせ内容に基づき、
加盟企業の中から最適な企業を選定しご紹介いたします。
各分野で高い専門性を持つ加盟企業とを的確にお繋ぎし、
ご要望にお応えできるようサポートいたします。