
北海道・旭川に拠点を置く、家具・木工メーカーの「WOW」。 一見するとシンプルで木の温もりにあふれる家具の根底には、創業から続けている、決してブレることなく貫き続けている「ドイツ由来の合理的な思想」が流れています。
今回は、旭川木工センターのWEBマーケティングに携わっているライターが、WOWの家具づくりの原点であり、他社とは異なるアプローチで家具を作り続ける理由についてインタビューをしました。
「システム家具」を日本へ。WOW誕生のルーツ

WOW(旧メーベルトーコー)の原点は、1968年にまで遡ります。 当時、創業者が家具づくりの先進国であった西ドイツへ渡り、2年間現地のシステム家具メーカーで働き、そこで本場の木工機械や家具づくりに触れました。そこで何よりも感銘を受けたのが「合理性」という考え方でした。
会社の支援を受け、システム家具のための新会社を設立
帰国した創業者の野原壽二さんは、西ドイツで学んだ「システム家具の合理的な思想」を日本でも実現したいと考えていました。しかし、当時勤めていた会社ではその製造を行う予定がなかったため、「うちではやらないから、新しく会社を作ろうか」と後押しを受け、システム家具の製造・販売を行うための別会社を立ち上げてもらうことになります。
これが現在のWOWの前身である、メーベルトーコーの始まりです。
社名の「メーベル」はドイツ語で家具を意味し、「トーコー」は当時の勤め先であった東光産業が名前の由来となりました。
設立当初から「システム家具の合理性」という目的を持っていたため、当時の家具業界の慣習にとらわれることなく、部品単位で管理する独自の家具づくりをスタートさせました。
合理性を追求した独自の「製造工程」

設立から50年以上が経った現在も、工場で一貫して守り続けている作り方があります。それは、「パーツ(部品)ごとに塗装をしてから、最後に組み立てて仕上げる」という製造工程。専門用語では「ノックダウン方式」と呼ばれます。
「システム家具」と「ノックダウン方式」の合理的な関係
そもそも「システム家具」とは、あらかじめ規格化(モジュール化)された共通のパーツを組み合わせることで、空間や用途に合わせて自由に形を変えたり、拡張したりできる家具のことです。そして「ノックダウン方式」とは、完成品の形ではなく、分解された平らなパーツ(部品)の状態で製造・管理・輸送し、最後に組み立てる手法を指します。
一般的な木製家具は、パーツを組み立てて「完成品の箱の形」にしてから、全体をまとめて一度に塗装を施すことが一般的ですが、WOWではシステム家具の基本である「部品(パーツ)単位で管理する」というドイツ由来の合理的な思想を受け継ぎ、製造工程の根幹にノックダウン方式を採用しました。
これにより、WOWの工場では家具を大きな「箱」ではなく、「平らなパネル(板)」の状態で管理し、一つひとつのパーツの段階で丁寧に塗装などの作業を進め、最後に組み上げて完成させます。野原社長も「パーツで動かし、塗装してから組み立てる。それをやるためにできた会社」と語るほど、この工程はWOWの原点となっています。
部品単位で仕上げることで生まれる品質
なぜ、部品単位で仕上げる方法を選ぶのか? 最大の理由は「品質と美しさ」を均一に保つことにあります。
組み立てる前の平らなパーツの状態で丁寧に塗装を施すことで、入り組んだ角や見えにくい部分まで塗りムラを防ぎ、均一で美しい仕上がりにすることができます。この徹底した合理性へのこだわりが、WOWの家具に美しさを与え、長く使える確かな品質を支えているのです。
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合理性が現代の暮らしにフィットする理由

パーツごとに仕上げていくノックダウン方式は、現代において別の大きな意味を持ち始めています。 完成品のまま大きな家具を輸送すると莫大なコストがかかりますが、パーツごとにバラバラにして運べる仕組みは、近年の輸送コスト高騰を抑えることにも繋がっています。
マンションにもスムーズに搬入できる「フラットパッケージ」
都市部のマンションなど、搬入経路が限られる現代の住環境において、部品の状態でコンパクトに梱包される「フラットパッケージ」は、非常に合理的な配送形態です。輸送効率を高めるこの手法は、まさに現代の生活様式に適した選択といえます。
このフラットパッケージを実現できる背景には、WOWが受け継ぐ「32mmピッチ」というドイツの家具づくりの規格があります。
これは、あらかじめ32mm間隔で正確に穴があけられたパーツを組み合わせることで、精緻かつ強固に家具を組み上げることができるという合理的なシステムです。この規格があるからこそ、パーツは正確に合致し、メーカーの想定した品質を誰が組み立てても再現することが可能になるのです。
現在もWOWでは、この32mmピッチの合理性とフラットパッケージの利便性を活かしつつ、お客様の住空間へどのように最高の状態で家具をお届けできるか。その最適なバランスを、日々模索し続けています。
まとめ
パーツごとに管理・塗装して作り上げるWOWの家具には、長く使っていただけるだけの確かな理由があります。
創業から貫いてきた「ノックダウン方式」や「32mmピッチ」といったドイツ由来の製造工程は、単に効率を求めるだけのものではありません。誰が組み立てても狂いのない均一な品質を再現し、見えにくい細部まで美しく仕上げるための「合理的な思想」の結晶です。
時代が変わってもブレることのないこの思想を大切にしながら、WOWはこれからも、皆さまの暮らしに長く溶け込む家具をお届けしていきます。
本当に気に入った家具を長く大切に使いたいとお考えならぜひ一度、WOWの家具をご覧いただければ幸いです。
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